地域の自然環境を対象とした「フィールド・環境施設実習」の一環として、甲子園浜にて実地調査を行いました。本実習は、水圏環境工学を専門とする大谷壮介教授と上村了美助手の指導のもと、浜甲子園キャンパスから徒歩で現地に移動し、潮間帯における生物相の観察および環境測定を実施したものです。
調査では、岸側と沖側に分かれて底生生物の採集を行い、アサリやカキといった二枚貝類、カニやヤドカリなどの甲殻類、ゴカイ類など多様な生物を確認しました。また、海水の塩分濃度、水温、溶存酸素量といった環境要因の測定も行い、生息環境の現状を把握しました。
さらに、プランクトンの採取を通じて、栄養塩(窒素・リン)の過不足が水域生態系に与える影響、赤潮の発生や魚介類の成育への影響についてについて大谷教授から詳しい解説があり、学生たちは理論と現場のつながりを体感する貴重な機会となりました。
実習の舞台となった甲子園浜は、阪神地域に残された数少ない自然海岸であり、住民・行政・市民団体の協力による保全活動が続けられてきました。現在も自然観察会や環境学習の場として活用されています。
本実習を通して、学生たちは沿岸生態系の多様性とそれを守ることの大切さを実地に学び、人間活動と自然環境が共存するためのあり方について考える貴重な機会となりました。
実習風景はこちらから https://youtube.com/shorts/f4zetDWe_r4