本学部教員による優れた研究提案が、以下の競争的資金に採択されました。今後の研究の進展が期待されます。
・矢野 義明教授が基盤研究(C)に採択されました。
課題名: 可視光による生細胞脂質ドメイン構造の可逆的制御法の開発
研究期間:2025-04-01 – 2029-03-31
研究内容:本研究では、生体膜の脂質ドメイン構造の生成や破壊の制御を目指し、液体相(Lo 相)の膜ドメインに分配し、光照射によってLo ドメイン構造を撹乱しうる候補物質 (NP) の撹乱能を詳細に調査し、生細胞での脂質ドメインを可逆的に撹乱できる光化学ツールとして確立します。本法は簡便・迅速に細胞での脂質ドメインの機能を評価できる特徴があり、将来的には未知のインスリン耐性の病態理解などの脂質ドメイン関連イベントの解明ツールとして役立つと考えられます。
・田島 右副教授の研究グループが研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同ステージⅠ(育成フェーズ)に採択されました。
課題名:高性能フォトリフラクティブ液晶の開発とその小型レーザー超音波非接触計測装
研究期間:2025-10-1 – 2028-3-31
研究内容:本プログラムでは、光導電性化合物や電荷捕捉材などの有機/高分子合成を担当し、実用化に向けた企業との連携にも関わる予定です。環境科学と直接関連するものではありませんが、レーザー超音波計測は複合材料の内部構造などを非破壊観測できますので、構造材料の耐久性向上などに応用できます。
・澤田 隼佑講師が科研費 研究活動スタート支援に採択されました。
課題名: コンビナトリアル化学に基づいたPFAS検出用蛍光剤の開発
研究期間:2025-07-31 – 2027-03-31
研究内容:本研究では、PFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル化合物)に特異的に結合するペプチドをコンビナトリアル化学により探索し、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)機構を利用した蛍光プローブの開発を行います。さらに、本プローブを濾紙型デバイスへ応用し、目視による簡便かつ迅速なPFAS検出法を構築します。これにより、現場対応可能なモニタリング技術を確立し、PFAS汚染の早期発見および拡散防止に貢献することが期待されます。