【著者/誌名】 Shunsuke Sawada, Keita Tsutsui, Shinya Tsukiji* (2026) Methods in Enzymology.
【タイトル】 Palmitoylation-dependent probes for labeling the Golgi apparatus
【DOI】 https://doi.org/10.1016/bs.mie.2026.01.005
【概要】ゴルジ体は、細胞の中でタンパク質を加工・配送する“司令塔”のような役割を担っています。しかし、これまでの方法では染色の手順が複雑だったり、ゴルジ体以外の部分まで光ってしまったりする課題がありました。今回開発したプローブは、「パルミトイル化」という細胞内で起こる脂質修飾の仕組みを利用しています。パルミトイル化とは、脂肪酸(パルミチン酸)がタンパク質などに結合することで、分子が膜に結びつきやすくなる現象です。本プローブはこの仕組みによってゴルジ膜に選択的に集まり、特異的な染色を可能にしています。その結果、生きた細胞を短時間で、しかも低い毒性で染めることができます。さらに、青・緑・赤の光に対応しているため、さまざまな観察実験にも活用できます。本論文では、このプローブの合成方法から、実際に細胞を染めて観察する方法までを詳しく紹介しています。細胞の働きの理解や、医薬品の開発や製造につながる基礎研究への応用が期待されます。
