お知らせ
【重要なお知らせ】 武庫川学院鳴松会のみなさま
お知らせ
武庫川学院鳴松会のみなさま
学校法人武庫川学院は令和9年度(2027年度)から武庫川女子大学を共学化し、大学名を「武庫川大学」とする方針を固め、6月17日、ホームページで公表しました。
附属中学校・高等学校は女子校を継続します。
母校が突然、「共学化」することに、戸惑いを感じておられる卒業生も多いと思います。本学が共学化に至った経緯をここでご説明します。本来なら直接お目にかかってご説明すべきところ、ホームページでのご説明となることをお許しください。
武庫川学院は女性に高度な教育の機会を設けようと1939年、校祖・公江喜市郎先生によって創設されました。学院創設から10年後に開学した大学は、時代に応じて女性が活躍するフィールドを広げてきました。1962年に早くも薬学部を開設したのをはじめ、建築学部、経営学部などを次々に開設。今年4月には環境共生学部を開設して13学部21学科となり、大学院8研究科14専攻を合わせ1万人の学生が学ぶ全国最大規模の女子総合大学に発展していることは皆様もご承知のとおりです。
開学当初、わずか2%台だった女性の大学進学率は現在、50%を超え、男女差はほぼなくなりました。女性の活躍するフィールドはどこまでも広がっています。本学の当初の目的は達せられたといえるでしょう。しかし、見渡せば男女格差は依然として残っており、ジェンダーギャップ指数は世界118位(2025年)に沈んでいます。
本学には幅広い学問分野があり、学びを深める環境が整備されています。近年は「学びたい学部がある」「総合大学だから」という理由で本学を選ぶ受験生が増えています。ジェンダーにまつわる無意識の思い込みなど、女性を取り巻く様々な課題に向き合う教育も充実しています。こうした優れた環境、教育、学術研究を、これからは女性に限定せず、すべての人に開こうというのが共学化する理由です。ジェンダーやセクシュアリティ、ライフプランなど女性が向き合ってきた課題は男性の課題でもあります。多様な人が一緒に学ぶことで、これまで見えていなかったものが見え、限界だと思っていた壁を突破できるかもしれません。だから、私たちは「共学」ではなく、みんなが学ぶ「皆学」と呼ぶことにしました。
さらに皆さまもご承知のように、少子化により18歳人口が激減するのは確実です。本学ではぎりぎりまで女子大学であり続ける道を探りましたが、現在の規模を維持し、本学の教育をよりよい形で継承するには、大学として体力のあるうちに共学化することが最善であるという経営判断によって、共学化を決めました。
共学化の方針は7月28日の理事会の場で最終決定することになっています。卒業生のみなさまには最終決定後、丁寧にご説明する予定でした。ところが、6月16日に一部メディアから共学化について取材があり、記事になることは避けられない状況となりました。メディアの報道でみなさんが母校の共学化を知る事態を避けたいと考え、急遽、6月17日朝、ホームページで公表することを決定いたしました。
こうした事情により、丁寧なご説明ができないまま、公表に踏み切り、卒業生の皆様を驚かせたことを心よりお詫び申し上げます。
本学はここ鳴尾の地にキャンパスを定めてから、ずっと鳴尾の街とともに歩み、多くの卒業生のみなさまの活躍を励みとして、発展を続けてきました。武庫川大学になっても、武庫川女子大学の伝統と特色はしっかりと受け継ぎ、地域の人に愛される大学として発展を続けていくことをお約束いたします。
今後は皆学化の進捗状況についても、折に触れ、丁寧に説明させていただきます。
「皆学」はよりよい大学になるためのステップです。どうか学院の決断をご理解いただき、学院の発展のため、これからも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますこと、お願い申し上げます。
令和7年6月19日
鳴松会会長・学院長
大河原 量
鳴松会幹事長
永田 隆子