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2025.08.06
活動報告
令和7年8月6日(水)に、第4回異分野交流カフェがオンラインで開催されました。
食物栄養学科の堀木真由美先生が「若年女性の食習慣と健康障害」について、本学の女子学生69名を対象とした研究で、エネルギー摂取量の平均値が推奨値の約84%であったこと、BMI正常で体脂肪率が30%以上の隠れ肥満が20名いたこと、LDLコレステロール値(基準値:60~119)が190mg/dL以上の家族性高コレステロール血症を疑う学生が4名いたことなどが紹介されました。次に、健康・スポーツ科学部の渡邊完児先生が「武庫川女子大学における認知症予防教室の取り組みについて」の中で、高齢者(卒業生やその家族)を対象とした運動・栄養・音楽・看護の多分野からの5年間の介入により、全体での解析で、認知機能は維持され、運動機能が有意に向上したこと、一方、体重は軽度低下したが、体組成では体脂肪が低下したのに対して骨格筋量は維持されていたことが紹介されました。
研究発表後の意見交換では、堀木先生に対して、大豆摂取の状況や運動習慣との関係、また、かくれ肥満とそうでない人の脂肪組織インスリン抵抗性(Adipo-IR)との関連について質問がなされました。今後は脂肪組織インスリン抵抗性による異所性脂肪蓄積や健康障害との関係、さらに、これらの病態に与える低出生体重児との関連について研究をすすめていくと説明がなされました。
渡邊先生に対しては、人との交流の影響についてはどうかと質問がなされました。交流ができるコミュニティを増やすことが認知機能だけでなく抑うつや孤立、孤独予防にも重要であり、本研究の成果を生かして、今後行政と協力して交流の場を作っていきたいとの説明がなされました。
また、「脳と筋肉」、「脳と骨」など臓器連関の視点からみていくと面白い研究につながる可能性があるなど、活発な意見交換が行われました。