素の美 -日本の美意識-
今年度は年間統一テーマとして「素(そ)」を選び、様々な視点から新たな生活美学の可能性を会員とともに探りました。シンポジウムでは、生活美学研究所設立以来のテーマ、広く学芸と生活のなかに息づく美学を、工芸・茶の湯・民藝の分野から探ります。
3.11の震災以降、便利さよりも生活の質を深める気風が高まりつつあります。このような時代だからこそ、今一度、素朴・質素な生活の豊かさにみる日本の「引き算の美学」を再考してはどうでしょうか。
講師
赤木 明登 氏(塗師)
-プロフィール-
塗師。1962年岡山生まれ。
中央大学文学部哲学科卒業、編集者を経て、1988年に輪島へ。
輪島塗の下地職人・岡本進のもとで修行。
1994年に独立。現代の暮らしに息づく生活漆器=「ぬりもの」の世界を切り開く。
1997年にドイツ国立美術館「日本の現代塗り物十二人」展、
2000年に東京国立近代美術館「うつわをみる 暮らしに息づく工芸」展、
2010年に岡山県立美術館「岡山 美の回廊」展、
2012年にオーストリア国立応用美術博物館「もの 質実と簡素」展に招待出品。
著書に『漆 塗師物語』(文藝春秋)、『美しいもの』『美しいこと』『名前のない道』(ともに新潮社)。
共著に『茶の箱』(ラトルズ)、『毎日つかう漆のうつわ』「能登ごはん便り」(新潮社)、
「形の素」(美術出版社)など。
各地で個展を開くほか、「ぬりもの」を常設展示している店舗が全国にある。
赤木明登 氏 HP www.nurimono.net
木村 宗慎 氏(茶道家、芳心会主宰)
-プロフィール-
茶人。1976年愛媛県生れ。神戸大学卒業。少年期より茶道を学び、1997年に芳心会を設立。
京都、東京で稽古場を主宰しつつ、雑誌の記事やテレビ番組、展覧会等の監修を手がける。
2014年より「青花の会」世話人を務め、工芸美術誌『工芸青花』(新潮社刊)の編集に携わる。
著書に『茶の湯デザイン』(cccメディアハウス)。『利休入門』『一日一菓』(ともに新潮社)など。
芳心会 HP http://www.hoshinkai.jp
鞍田 崇 氏(哲学者、明治大学准教授)
-プロフィール-
哲学者。1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。
現在、明治大学理工学部准教授。暮らしの〈かたち〉という視点から、現代社会の思想状況を問う。
著作に『民藝のインティマシー「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会 2015)など。
鞍田崇 氏 HP http://takashikurata.com
記
日時
2015年11月21日(土) 13:30〜17:15
場所
武庫川女子大学 甲子園会館 西ホール
定員
200名
参加費
無料
申込
要申込・先着順
専用ハガキにてお申し込みください(お名前・ご連絡先をお知らせいただければ、案内状・専用ハガキを送付いたします)。
申込締切
11月13日(金)必着
定員になり次第、締め切らせていただきます。なお、定員超過の場合のみご連絡致します。
※終了いたしました
次 第
13:00
受付開始
13:30
開会 総合司会:村越 直子(生活美学研究所) 挨拶:森田 雅子(生活美学研究所)
13:40
講 演 1 「形の素(かたちのもと)」赤木明登 氏
14:20
講 演 2 「見立て・取合わせ・しつらえ―清潔で簡素なもてなしとは―」木村 宗慎 氏
15:00
講 演 3 「素であること」鞍田 崇 氏
15:40
休憩
15:55
パネルディスカッション
参加者:赤木明登 氏、木村宗慎 氏、鞍田崇 氏
進 行:藤本 憲一(生活美学研究所)
17:15
閉会