健康・スポーツ科学部パンフレット2026|武庫川女子大学

健康・スポーツ科学科では、保健体育科教員をはじめ、アスレティックトレーナーや競技別コーチ、地域社会における健康・スポーツの指導者など、幅広い分野で活躍する「健康・スポーツのリーダー」の養成を目指します。栄養やマネジメントといった多様な側面から“健康・スポーツ”を科学的に学び、他学科との連携教育プログラムなどにより、女子総合大学ならではの充実したカリキュラムで、実践的な指導力を育みます。 スポーツマネジメント学科では、女子総合大学の特長を生かした広く深い学びにより、スポーツビジネスの最前線で活躍する“マネジメント人材”を育成。競技経験や身に付けた専門知識を生かし、日本のスポーツの未来を切り拓く力を磨きます。


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2026●教員の研究紹介TOPICプロスポーツクラブのビジネス活動と柔軟性私はもともとJリーグのクラブで働いていました。選手ではなく、クラブの運営やビジネスに関わる「フロントスタッフ」と呼ばれる仕事をしていました。この仕事をしていると、思ってもみなかったようなことがよく起こります。こうした予想外の出来事は、経営の勉強では「不確実性(ふかくじつせい)」と言います。たとえば、チームが逆転勝ちをしたとき。これはうれしい「良い意味での予想外」です。でも、実際には困るような予想外のことのほうが多いんです。たとえば、急な強風でチームのマスコットが人工芝の下敷きになってしまったり、負けたことに怒ったファンが相手の車を蹴ってしまったり…。これまでの研究では、こうしたトラブルをどう予測して、どう防ぐかが大事だとされてきました。でも、現場ではそううまくはいきません。とっさの判断や対応がすごく重要です。私はこうしたプロスポーツクラブの“現場のドタバタ”に注目して、それを「オペレーションの柔軟性(=その場の対応力)」という考え方を使って、深く研究しています。プロスポーツクラブの柔軟性を捉えるための理論的フレームワーク宇野博武准教授【研究分野】体育・スポーツ経営学、サービスマーケティング論、プロスポーツビジネス研究【担当科目】トップスポーツ経営論、スポーツガバナンス論、人的資源管理論などTOPIC鹿島開発と鹿島アントラーズ1993年Jリーグが開幕し、1stステージで鹿島アントラーズが優勝しました。東京から80km離れた城県(旧)鹿島町にJリーグのプロチームが設立したことに疑問を持ちました。プロの興行は、通常都会に人を呼び込むものですが、アントラーズは真逆で、マーケティング的には成り立たない。アントラーズ設立の経緯を調べてみると、その背景には昭和30年代に始まった鹿島製鉄所を始めとする重厚長大な鹿島開発がもたらした生活問題がありました。住民や行政は地域の危機的状況を共有化し、地域の自立のためにプロサッカーという乗り物(vehicle)を選択したのでした。プロチーム設立の背景には、地域で暮らす人々の生活と住民の期待や事情がありました。遠方にある「白いスタジアム」の背景にある生活の理解。手前は鹿島製鉄所柳沢和雄教授その他の研究トピック【研究分野】スポーツ経営学スポーツマネジメント論【担当科目】スポーツマネジメント論、地域スポーツマネジメント論スポーツビジネス最前線など◯「総合型地域スポーツクラブと社会経済的セクターに関する研究」◯「地域開発とメガスポーツイベントに関する研究」◯「学校部活動の地域移行・地域展開をめぐる課題に関する研究」15


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