歴史文化学科パンフレット2025|武庫川女子大学

多様化やグローバル化など、変化する時代に求められるものは、「社会を読む力」であり、「未来を描く力」です。歴史学は、過去から学び未来をつくる学問。中でも、風俗や習慣、日常生活といった身近な歴史は、現代を生き抜くアイデアの宝庫です。本学科では、生活の中で育まれてきた歴史文化への研究を通じて、自分自身、そして社会の将来を描き出す力を育みます。


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日本史学を学ぶ上で不可欠な史料を読解するには、初歩的なくずし字読解の技術を修得する必要があります。また、古文書の用語、様式や伝来など古文書にまつわる基礎知識を学び、その内容を的確に解釈できる力を身に付けることが必要です。阪神間の武家文書・村方文書・町方文書・寺社文書などをテキストとします。地図は地理学では大変重要なツールであり、地形図などの既存の地図の種類、入手方法、読図の基礎等を修得する必要があります。地理学では現地調査や統計資料などをもとに空間的な分析を行ったり主題図を作成したりすることが求められるため、GIS(地理情報システム)の基礎的な利用法を学びます。歴史上の各時代を代表する女性を素材として取り上げ、それぞれの時代背景や社会の特質を踏まえつつ、そこで女性がどのような役割を果たしたのか、幅広い視点から検討を加えます。あわせて現代社会の女性の立場・境遇・考え方と比較を試み、女性として現代を生きる意味を考察します。1948年主に京阪神地域を対象として、歴史に関わる問題関心に沿って自らフィールドワークを行う実践的な方法を学びます。事前に調査方法を学んだ上で、各施設やフィールドに足を運び、調査を実践します。現地で得られる情報として立地・景観、あるいは石造物・歴史的建造物などの調査方法を学びます。地域の方から話を聞く機会も設け、現代社会に息づく地域の歴史文化とその意義についても考察を深めていきます。2021年武庫川女子大学周辺国土地理院撮影の空中写真(1948・2021年撮影)近代以降の文化財保護の歴史を概観し、文化財の概念の変遷を学んで、文化財に関する基礎知識を修得していきます。文化財保護及び活用に関する行政の動き、大学(研究者)・市民等民間による文化財保存・活用の取り組みを紹介し、協業のありかたや今日的課題を学びます。また阪神・淡路大震災以降に被災した文化財の救出・保存をボランティアで行う全国の史・資料ネットの活動を素材とし、身近な地域の文化財をどのように守っていくか、実践的に考える力を養います。書誌学的な出版の知識とともに、日本での出版文化の展開やメディアとしての役割について、基礎的な知識を修得します。伝存する様々な出版物に親しみながら、素材や記載内容を観察し、史・資料として正確に分析、評価する能力を養います。また、出版・メディアが担ってきた情報伝達の機能とその享受の様相を考察することで、各時代の文化的特徴や史的展開についての理解を深めます。「阪神水族館」尼崎市立歴史博物館蔵『摂津名所図会』武庫川」国会図書館デジタルコレクションDepartmentofHistoryandCulture,SchoolofLetters6「徳田善五郎文書(1)2)」尼崎市立歴史博物館蔵日本の伝統的祭礼、特に稲作と農耕儀礼、神事芸能との関係性に基づき、近畿から中国、四国地方の伝統的な祭礼に焦点を当て、地域的特性と歴史的な展開過程を考察します。修正会・修二会、御田植祭、園祭や曳山行事、天神祭、岸和田だんじり、のけんかまつり、春日若宮おん祭など、稲作と農耕儀礼、神事芸能と民俗芸能の関係性を考えます。現代の生活でも欠かすことのできない衣服・化粧・装身具を含む身体の装いが、日本文化の中でいかに形作られてきたのかについて、古代から近代までを概説します。近代までは装いの文様や色彩、かたちが着る人の社会的背景を表すため、文様や色彩は着る人、視る人を意識して作られてきました。実物資料や絵画資料を通して、装うこと、ひいては日本文化全般について考察していきます。


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