日本語日本文学科パンフレット2025|武庫川女子大学

日本語日本文学科(日文)では、掲げるキャッチフレーズは、〈ことばの力で未来を拓く〉。日本語・日本文学 のみならず、書道などの伝統文化からAI時代に即した人文情報学まで多角的に学ぶことで、読解力や論理的思考力、表現力といった、社会が求める高度な「国語力」を養います。興味・関心を専門的に掘り下げる多彩なカリキュラムなど、総合大学ならではの奥行きある学びが特長。自ら人生を切り拓く女性の育成を目指します。


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ゼミ紹介日文では3年次から各々の関心にあわせてゼミに所属します。ここでは異なる分野から4つのゼミを取り上げます。中国古典・漢文学狩野ゼミ近代文学小泉ゼミ漢文と聞けば苦手だなと思う人がいるかもしれません。大丈夫です。このゼミでは、李白や杜甫といった詩人たちの人となりや作品を詳しく知ったり、ときに不思議で、ときに滋味深い話を読み込んだりします。それらはすべて日本の古典に大きな影響を与えたものです。中国から伝えられた漢字を「不可避の他者」などと呼ぶことがありますが、漢字によって生み出された表現、作品こそ、日本語の先人たちが向き合ってきた他者なのです。現在の私たちの話し相手にもなってくれます。表現を丁寧に読み込んでいくことを通して自分なりに捉まえた言葉が深くて大きな気付きを与えてくれることもあります。このほか、学年の個性に合わせて、関西の中華的なものを探しに出掛けたり、合宿をしたり、餃子を皮から作ってみたり、様々な活動をします。そうした活動の中でも学びは深まっていきます。単に苦手だなと思うのとはちょっと違った漢文との付き合いがあります。明治から現代までの文学作品を読んでいます。当時のことばや作品の形式、発表されたメディアや背景となる社会の状況を考え、表現の特長や意義を深く理解するために、研究・発表・議論を重ねます。これまでのゼミ生たちは、宮沢賢治や新美南吉の童話、寺山修司の短歌や石垣りんの詩、梶井基次郎や江戸川乱歩の小説など様々なジャンルの研究に取り組みました。テーマも子どもや女性と文学との関係や、労働運動や社会問題との結びつき、文学の中の少女像や果物の描かれ方など実に多彩です。作品の舞台となった土地を歩いたり、原稿や初版本などの実物にふれることも大切なので、ゆかりの地や文学館を訪ねることもあります。今年は、織田作之助の文体について考えるために、寄席に落語を聞きに出かけました。大切なことは、日常の使い方とは少し違う「文学の言葉」に耳を傾け、表現そのものを見つめること。文学作品が織りなすことばの世界は豊かで奥深いものです。日本語学木下ゼミ日本語教育野畑ゼミ英作文をしたとき、そこは別の語を使ってください」そこは過去形に」などと修正されて、理由が分からずもどかしい思いをしたことはないでしょうか。なぜそのように修正するのかを尋ねても「説明は難しいのでまずは覚えてください」と言われたこともあるでしょう。英語の仕組みがわかれば理由も分かるはずです。英語だけではなく、日本語にも仕組みがあります。ゼミでは、現代日本語の仕組みを探究しています。日本語を話せることと、その仕組みが説明できることは異なります。仕組みの探究は、どのように日本語を話しているのか、自分を探検する旅でもあります。そのためにゼミでは、電子化された言語データの分析の方法や、先人が蓄積してきた考え方について学び、自分の考えを発表します。それを踏まえて「自分はこんなふうにこのことばを使っている」「こんな場合にはこう言う」と自らの言語運用も振り返りながら、活発な意見交換を行っています。3年ゼミでは、ことば・文化・コミュニケーションをテーマに活動し、日本語や日本語教育のキーワードについて調べる、会話を分析し発表するなどの活動を行っています。その中で特に大切にしているのは日本語学習者との交流です。本学に留学している交換留学生や専門学校で学ぶ日本語学習者、さらにオンラインで韓南大学(韓国)の学生や英文小学校(香港)の小学生など、国内外の様々な日本語学習者との交流を行います。交流に際しては、お気に入りの写真を見せながらの自己紹介、日本語の表現の紹介、自分たちが考える日本社会への疑問など、相手によって様々な活動を準備し、コミュニケーションのきっかけとします。ゼミ生はこのような交流の経験を通じて、自身のことばを調整し、相手に分かりやすいことばで伝えようとする態度、また様々な他者に対して臆せずコミュニケーションしようという態度を少しずつ身に付けていると感じます。05日本語日本文学科


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