◇活躍する卒業生31、32◇ソプラノ歌手・東京二期会、オペラ・ディ・フィオーレ代表　飯田美奈子さん（音楽学部声楽学科卒業）、武庫川女子大学音楽学部　多田秀子准教授（音楽学部専攻生課程修了）

飯田美奈子さんが音楽好きの友人らを中心として設立した「オペラ・ディ・フィオーレ」が、6月3日、「祈り・夢・未来　ガラコンサート　飯田美奈子と素敵な音楽家たち」をホテルオークラ神戸で開催します。コンサートで飯田さんは、武庫川女子大学音楽学部の先輩にあたる多田秀子准教授と協演します。リハーサルを前に母校を訪れ、多田准教授と共に意気込みを語りました。

 

「オペラ・ディ・フィオーレ」の「フィオーレ」はイタリア語で「花」を意味します。飯田さんは10年前に、音楽に留まらずさまざまな分野から連携して支えていくことを目的に団体を設立。阪神・淡路大震災時に被災された方をコンサートに招いたり、20年以上前から社会活動を展開したりする中で、「真の復興は心の元気を取り戻すこと」とし、震災復興のシンポジウムを開催するなど、音楽で感じられる喜びや希望を伝えようと活動を続けています。

 

第1回目のガラコンサートを2020年5月に開催する予定でしたが、コロナ禍で対面実施が中止に。代わりに、コンサートの映像と共に、舞台の作り方など裏方の仕事を含め、舞台芸術を作る楽しみを聴衆と共有できる内容を配信しました。この企画は累計8万回以上の視聴があり、コメント欄には「歌声に勇気が出ました」「聴くたびに心が浄化されます」や「Brava!」「最高フィナーレ!」など海外からも多くのメッセ―ジが寄せられています。飯田さんは「音楽を届ける方法として新たな発見があり、ピンチはチャンスとはこのことだと思いました。世界中の多くの方に、時間を問わず、普段コンサートホールに足を運べない人にも届いたことが本当にうれしかったです」と話します。

 

1年後の2021年6月、飯田さんが拠点の一つにする福井県のホールで第2回目のガラコンサートを開催。感染症対策のため半数の観客で対面の開催にこぎつけました。コンサートには多田准教授も出演。アンコール曲「坂の上の雲」では、飯田さんの歌に多田先生がピアノで伴奏しました。「対面のコンサートが実現し、音楽の未来に希望と夢を改めて感じることができました」と話し、多田先生も「コロナ禍では延期や中止が繰り返され、何度も心が折れそうになりました。それでも音楽の持つ力を信じることができました」と振り返ります。

 

そして2023年6月3日、本格的に有観客になるコンサートは、第1回目のガラコンサートが開催される予定だった神戸で開催します。第一部のプログラムでは、オペラ「椿姫」を飯田さんが歌い、多田先生と協演します。先輩後輩であり、師弟でもある二人。飯田さんは多田先生について、「在学時から演奏助手として活躍されていた憧れの先輩」と言い、多田先生は飯田さんを「当時から人懐っこくて華がありました」と評します。

 

飯田さんは次の目標を、「『椿姫』の曲を他にも多く歌うことと、全幕出演を経験したことのあるモーツァルトのオペラをアンサンブルやソロで取り上げるコンサートを実現したい」と明かします。また、コロナ禍のキャンパスライフを経験した在学生には、「オンラインは便利ですが、平面的にしか体感できない部分があります。会った人の空気感を感じることや、キャンパスで緑を見たり、周りの話し声を聞いたりすることが力になり、そこからやりたいことが見つかるかもしれません。皆さんには夢を持って、夢を語ってほしいです。言葉にするときっとかないますよ」とメッセージを寄せました。

 

飯田さんは、本学が2017年4月から3年間ＦＭ大阪で放送した「武庫川女子大学ラジオＭＵＫＯＪＯラジオ」で、お母さまの山地宣子さん（短期大学家政科卒業）と出演。この日もＯＧのお母さまと一緒に母校を訪れました。

 

「祈り・夢・未来　ガラ・コンサート　飯田美奈子と素敵な音楽家たち」

2023年6月3日　午後4時開演（午後3時半開場）

ホテルオークラ神戸1階　平安の間

入場無料　

お問い合わせ

電話080-2959-1398

E-Mail: operadifore2@gmail.com

 

Youtube「オペラ・ディ・フォーレ」はこちらから