こんにちは!
教育学科4年生の麗と日本語日本文学科4年生のKanAで映画取材に行ってきました。
今回は、「少年H」です。
【あらすじ】
昭和の初め、舞台は異国情緒あふれる神戸。洋服仕立て職人の父・盛夫(水谷豊)、熱心なキリスト教徒の母・敏子(伊藤蘭)のもとに生まれた肇(はじめ:吉岡竜輝)は、好奇心が強く「なんで?」を連発し、「そんなのおかしい」と言わずにいられない正義感の強い少年だ。彼は、敏子がイニシャル「H」を胸に大きく編みこんだセーターを着たことで、友達から「エッチ」というあだ名で呼ばれる。
やがてヨーロッパで第二次世界大戦がはじまり、近所でも不穏な出来事が起こり始める。軍事統制が厳しくなり、おかしいことを「おかしい」といえない日々の中、盛夫は「おかしい」「なんで?」と聞くHに、しっかりと現実を見ることを教えていく。
昭和16年12月、太平洋戦争が始まると、盛夫は消防署に勤めるようになり、Hは中学に入学する。そして昭和20年3月、ついに神戸をB29の大空襲が襲う。
【解説】
「少年H」は1997年に妹尾河童初の自伝的長編小説として刊行され、ユーモアある文体と魅力的なエピソードが読者の心をつかみ、またたく間にベストセラーとなり、平成9年度毎日出版文化賞特別賞を受賞。上下巻売上340万部超のミリオンセラーを達成し、刊行から15年経った今も重版を続け読者を増やし続けています。そして、日本国内にとどまらず、英語版、台湾版、韓国版、中国版も出版され、現在高校の試験問題や中学校2年生の国語の教科書にも収録されるなど、『少年H』はまさに国民的、世界的ベストセラー小説!
日本人の誰もが愛する原作を手掛けるのは巨匠・降旗康男。日本映画界に燦然(さんぜん)と輝く数々の名作を演出し、高倉健主演『あなたへ』の次に取り組みました。脚本は『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ全作を手掛ける古沢良太。昭和初期の激動を描く脚本と降旗康男の演出は、少年H一家が時流に流されることなく強くたくましく生き抜き、街とともに復興していく姿を、時にユーモラスに時にハードに、高いクオリティーで描き出しています。
【おすすめポイント】
水谷豊&伊藤蘭、初"夫婦役"で28年ぶりに共演!
物語の柱となる「少年H」の父と母を演じるのは、水谷豊と伊藤蘭。水谷豊演じる父親像は、どんな時代でも必要なのは、自分の眼で見て、自分の頭で考えて自分の言葉で語ることの大切さを、見る人全てに教えてくれます。伊藤蘭演じる母親役は、どんな苦境の中でも「愛」を忘れず夫を信じ、子どもを慈しむ母親像をスクリーンに映し出してくれるでしょう。
【公開日】
2013年8月10日(土)
【キャスト】
水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝 他
【スタッフ】
監督:降旗康男
脚本:古沢良太
原作:妹尾河童
【配給】
東宝
【制作年】
2013年
【上映時間】
122分
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【感想】
~考えろ、感じろ!~
まるで戦火の中にいるようでした。これまで何を見聞きしても、どこか遠くの出来事に感じていました。それが、この映画で初めて戦争に恐怖を抱き、何度も涙をこらえました。
舞台は神戸。よく知った場所も撮影で登場し、ぐっと心が引き付けられます。でも、だからこそ、見知った街が、人が、空襲で消える様は怖くてたまりませんでした。もし自分が戦時中に存在したら、Hの家族を正しいと思えるか。自分はどういう考えを持つのか。想像もつかなくて、自分の考えが分からないことが衝撃的でした。
注目シーンは、戦争が激しくなるにつれて変わっていく、家の中や食事の内容です!もちろん、苦しいシーンばかりではありません!!水谷豊さん演じるお父さんがかっこ良い!笑ってしまう家族団らんもあります。また、Hの妹の演技がかわいくてイチオシ♪
ショッキングで、考えさせられて、家族愛にあふれています。この夏、皆さんに一番見てほしい作品です!
麗
~見た人に「希望」をくれる~
この映画を見て、戦時中の生活がいかに不自由で、いかに変動が激しかったのか、ひしひしと感じました。情報が正確に伝わってこない日々、日に日に制限されていく趣味や考え方の自由。いつ戦争が終わるのか分からない中で空襲警報が鳴る毎日は、とても不安いっぱいで生きるのが怖かったのだろうなと思わされました。
そしてキャストの皆さんの役どころに、それぞれ感情移入させられました。Hくんの時代の流れにのまれない精神力の強さや、考え方が違っても足蹴にせず信じ合う友情には感動しましたし、序盤のどこにでもいる家族の風景には、くすっと笑わされました。
私が特に気に入ったのは、エンディング。最後のセリフにはなんだか、今の日本の状況や人それぞれに対するエールにも感じて。この映画の物語の中だけのことではなくて、見た人にとっての「希望」を与えてくれる作品なのではないかと思います。
KanA
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~