こんにちは!情報メディア学科1年生のもちこです。
私は、1月30日に武庫川女子大学の生活環境1号館別館で行われた短期大学部・生活造形学科の卒業研究展と、2月3日に中央図書館で行われた大学・生活環境学科の卒業研究展へ取材に行きました。
生活環境学科と生活造形学科は、私たちの生活を取り巻く衣服・生活用品・インテリア・住空間・建築物・街・都市などの「生活環境」と人間との関係を総合的に学ぶ学科です。
私は、「生活環境を学ぶって、実際どんなことをしているのだろう」と以前から興味を持っていたため、卒業研究展での取材はとても刺激的でした。
ここでは、それぞれの研究展で見た作品のいくつかを簡単にご紹介し、最後に取材を通じて私が感じたことをまとめたいと思います。
まず短大の研究展では、主に「ディスプレイ」や「生活用品」、「住空間」、「テキスタイル」、「インテリア」、「衣服」などの作品が展示されていました。
【ディスプレイ】
「ファッション雑誌の編集長」をイメージしたディスプレイ。
黒を貴重にしたアイテムと、背景の毛皮が格好良く配置されています。
「恋人」をテーマにした、ジュエリーのディスプレイ。
白を基調とした落ち着いた包装に、花がロマンティックに散りばめられています。
【生活用品】
地域の名産品を生かしたふるさと納税のお礼の品。
風景写真のポストカードと、方言でコメントが書かれた小袋がお気に入りです。
コンパクトでかわいらしいキーホルダー状のヘルプマーク。
同行者がいて助けが必要ないときには閉じておくこともできます。
スプーンとマドラーにもなる実用的なティーバッグ。
コップとこれ1本で、簡単に紅茶が飲めます。
服をリサイクルしたトートバッグ。
誰でも作れてエコ活動ができるように、作り方も紹介されていました。
【住空間のデザイン】
高齢者をメインターゲットにした、余暇を楽しむための施設。
床には畳が使用されており、親しみやすいよう工夫されています。
【織物や布地のテキスタルデザイン】
平織りで織り上げられた作品たち。
縫い目がはっきりと見える平織りならではの温かみが、作品のデザインによって引き立てられています。
水族館をイメージにした涼しげな配色・布地のデザイン。
青を基調にしつつ、魚たちの鮮やかな色が溶けるように表現されています。
意志の強い女性をイメージした模様のデザイン。
遠くを眺める女性の姿が手描き風でラフに描かれているのが、スタイリッシュですてきです。
【インテリア】
木製のおしゃれな照明と食器たち。
自然の温もりを感じて、優しい気持ちになれます。
「コ」の字型のサイドテーブル。
布団で暖を取りながら作業ができて、棚としても利用できる優れものです。
フェルト製の仕掛け絵本。
子ども向けに、ボタンやひもなどを使った楽しい仕掛けがいっぱいです。
童話をモチーフにしたサイコロ付きの積み木。
遊び方に工夫があり、見た目がかわいらしいのでインテリアとしても利用できます。
【衣服】
ドレスから着物まで、ジャンルを問わないオリジナル衣服の創作。
トータルコーディネートが考えられ、衣服に加えて小物までデザインされています。
「ドレーピング」という、裁断用ボディに直接生地を当てて型を取った衣服の作品。
生地の形だけで、幅広いデザインが生き生きと表現されています。
一方、大学の卒業研究展では、「衣服」、「生活用品・インテリア」や、「社会」、「住空間」など、短期大学部以上に広い分野での研究作品が展示されていました。
【衣服】
テキスタルデザインを取り入れたドレス。
正面写真の左は「鳥獣戯画」、右はモネの「睡蓮」がモチーフとなっています。
テキスタイル、生地の形、共に作品の雰囲気が見事に表現されています。
現代で生活をするディズニープリンセスたちをイメージした衣服。
原作から性格や行動パターンなどを考慮して、デザインされています。
肩パッドの再ブームを狙って提案されたワンピース。
古いイメージが覆されるような斬新なデザインに、思わず見とれてしまいました。
遊びながら学べる子ども服。
ブロックをはめたり、ひもを引っ張ったり、ポケットに入れたりと、遊び心が満載です。
【生活用品・インテリア】
ハンドメードマーケットの動向についての研究。
作り手としてハンドメードマーケットに参加し、市場の内側から調査されています。
賞味期限に困らない、ローリングストック方式の非常食。
常食として消費しつつ備蓄するという、持ち運びも便利な新しい非常食です。
「和紅茶」ブランドの提案。
国産の茶葉を使用しており、親しみやすく、和菓子にも合うよう提案されています。
ウォールステッカー型のフラワーベース。
花瓶やスペースがなくても、気軽に部屋に花を飾れます。
模様を重ねて楽しめる照明。
季節や気分に合わせて、自分好みにアレンジできます。
【社会】
メニュー・内装・包装がトータルデザインされたお粥専門店。
おいしそうなメニューと、シンプルで親しみやすい内装がすてきです。
平城京の跡地を利用したイベントの提案。
設備には、比較的安価で親しみやすいテントが利用されています。
セクシュアル・マイノリティーと自己表現についての研究。
もの作りや企画の作品が多い中、珍しいテーマでした。
たくさん展示されていた写真は、どれも、性的少数派と呼ばれる方々が幸せそうな笑顔で写っています。
駅と駅近の人気スポットとの人の流れをつなげてにぎわいを活発にする提案。
近隣住民の交流を深めるシェアハウスや、外部に向けたワークショップなどのイベントが提案されています。
短大生活造形学科と大学生活環境学科、2つの卒業研究展を取材して、バラエティーに富んだ作品たちとその発想の豊かさにおどろきました。
また、「生活環境」を形成しているものにはどれも目的があり、美しさ・機能性・ターゲットなどが多様に考慮されデザインされていることを知りました。
「今いる場所や使っているものは、どのような意図でデザインにされたのだろう」
そんなことを考えると、普段何気なく思っていた場所やものに、愛着が湧くようになりました。
自分で少しの工夫やアレンジを添えてみるのも良いかもしれませんね。
毎日の生活がさらに楽しくなりそうです♪