附置研究所、研究センターの再編について
2024/04/01
本学は既存の13の研究所及び研究センターを再編し、2024年4月1日、3つの総合研究所を開設しました。教育に関わる研究に特化した教育総合研究所、健康に資する研究を集約する健康科学総合研究所、多様性とジェンダーに向き合い、女性活躍の道筋を照らす女性活躍総合研究所。3総研は相互につながり、研究力を高めます。
【新たに開設する3総合研究所】
教育総合研究所
女子教育をはじめ高等教育、人の発達、学校教育と教師教育など教育に関わる多様な研究を行います。
健康科学総合研究所
一人暮らしの栄養支援、食事や認知症予防、最先端のバイオサイエンス、世界の食と健康など、健やかな人生を支える研究を行います。
女性活躍総合研究所
多様性とジェンダーに向き合い、女性活躍を推進してきた実績と知見のもと、女性のポテンシャルを引き出し、女性登用につなげる研究に取り組みます。
【旧研究所(~2023年度)の特色と歩み】
本学は1979年の幼児教育研究所(発達臨床心理学研究所)、1984年の教育研究所を筆頭に、時代に応じて特色ある研究所・センターを開設してきました。
ことばに特化したユニークな言語文化研究所、初代所長のフランス文学者・多田道太郎が「生活美学」という研究領域を打ち立てた生活美学研究所、高度情報化時代を先取りした情報教育研究センター、生物化学系の教員が学部横断的に共同研究に取り組むバイオサイエンス研究所、家森幸男所長の世界的研究が牽引した国際健康開発研究所、本学とトルコの縁を形にしたトルコ文化研究センター、健康・スポーツ科学、栄養、薬学の学際的研究に取り組む健康運動科学研究所、地域に根差し、地域の人たちを巻き込んで研究と学びを追究する栄養科学研究所、女子大学で全国トップレベルの教員採用実績をもとに、学校教育と教師教育の研究を進めてきた学校教育センター、有形民俗文化財に登録された約1万点の着物資料をもとに、研究と展示に取り組む附属総合ミュージアム。
多領域を網羅する研究所と優れた研究の数々は、本学の研究力を内外に知らしめ、若い研究者を育成する場になってきました。
【再編の背景】
近年、AI研究や学域を超えた架橋的研究が求められるようになっています。細分化された研究所を統合することで、研究領域をまたぐ研究や、時代に即応したプロジェクトに道を拓くため、研究所の見直しを進めてきました。この結果、3総合研究所を新たに立ち上げ、従来の研究所は発展的に解消することになりました。附属総合ミュージアムはその目的に照らして3総合研究所とは別組織として位置づけることになりました。
【3総合研究所の理念】
総合研究所は領域横断的な個人の研究で得られた知見と技術を統合し、総合大学でなければできない学際的プロジェクト研究を展開。本学の研究力を大学と社会に還元するインキュベーション機能を有します。また、個の研究力を有機的につなぐことで得られるシナジー効果を活用し、本学の研究力を高めます。
さらに組織として培った研究成果とその成果を生む過程から得られたノウハウを次世代の研究者につなげ、本学に集う研究者各人の研究力を高める場を目指します。
【より高い研究力をめざして】
総合研究所にはプロジェクト型の研究の遂行が期待されます。このための制度づくり、若手研究者の育成、教育との接続、研究資金の獲得など基盤整備を進めます。競争的資金の獲得を進めつつ必要な資源を投入し、PDCAサイクルを回してさらなる研究の展開につなげる「らせん型」研究を進めます。
令和6年4月1日
武庫川女子大学学長 瀬口和義