【共学化】2027年度から全学部で共学化することを決定しました。
2025/07/29
学校法人武庫川学院は7月28日に行った理事会で、2027年度(令和9年度)より武庫川女子大学を共学化する件について詳細を決定しました。
共学化は13学部21学科すべてで2027年度から一斉に実施します。
理事会での決定事項は下記のとおりです。
■ 新大学名 「武庫川大学」(2027年4月名称変更予定)
■ 共学化する学部と時期 2027年4月から、全13学部21学科
文学部(日本語日本文学科、歴史文化学科、英語グローバル学科)、教育学部(教育学科)、心理・社会福祉学部(心理学科、社会福祉学科)、健康・スポーツ科学部(健康・スポーツ科学科、スポーツマネジメント学科)、生活環境学部(生活環境学科)、社会情報学部(社会情報学科)、食物栄養科学部(食物栄養学科、食創造科学科)、建築学部(建築学科、景観建築学科)、音楽学部(演奏学科、応用音楽学科)、薬学部(薬学科、健康生命薬科学科)、環境共生学部(環境共生学科)、看護学部(看護学科)、経営学部(経営学科)
■ 附属中学校・高等学校は女子校を維持
■ 共学化のテーマは「ダイバーシティと研究力で旋風を起こす大学」
ただし、現在の大学1、2年生および本学に進学を決めている附属高校3年生が大学を卒業するまでは実質的に女子大学としての環境を維持できるよう最大限配慮します。
共学化については様々なご意見をいただいておりますが、これからの激変する社会、多様化する世界において、学生が自分らしく一生を描ききる力を得るために必ずや寄与するものと考え、共学化を決定しました。
■ 皆学化(共学化)の趣旨
本学が今、皆学化(共学化)する趣旨は以下のとおりです。
1. 開学した1949年(昭和24年)当時、2%程度だった女性の大学進学率はいまや50%を超えました。「女性に高等教育の機会を提供する」という本学としての所期の目的は達成されたと受け止めています。
2. 本学はジェンダーや多様性への理解促進、キャリア形成について特色ある教育を推進してきました。しかし、日本はいまだジェンダーギャップ指数で世界118位(148か国中)※に低迷し、男女格差は解消していません。本学の教育をすべての人に広げ、ジェンダーバイアスに縛られない価値意識を醸成することが、真の男女共同参画社会につながると考えます。すなわち女子大の進化です。
※2025年世界経済フォーラム調べ
3 . 日本の少子化は国の想定より15年早いペースで進んでおり、大学間競争は激化の一途をたどっています。とりわけ多様化社会の進行に伴い、女子高校生の女子大離れは顕著で、女子大学はいっそう厳しい未来が予想されます。
4. 総合大学としての多彩な学問分野を持つ本学には、様々な人からの「学びたい」ニーズがあります。こうした声にこたえ、性別、国籍、年齢の枠を超えて学びを開くことは総合大学としての責務であり、分断や対立を遠ざけて、平和を希求する立学の精神にも合致します。
5. 日本の国際競争力を再浮上させるには、研究力を高め、イノベーションを起こすことが必須です。多様な価値観が融合し、多様な人が協働するダイバーシティは新たな価値を創出し、大学の高度化、ひいては日本社会の活性化につながるでしょう。ダイバーシティと研究力で社会に旋風を起こします。
■ 共学化で生かせる強み
本学には多彩な強みがあります。下記に例を挙げます。
・女子大学として培ってきたきめ細かな教育
・社会とつながる実践的学び
・人材育成方針「MUKOGAWA COMPASS」が表す教育力
・オリジナルのジェンダー教育「MUKOJO未来教育プログラムSOAR」
・科研費※の採択金額、件数ともに全国私立大学の上位10数%に位置する研究力
※学術研究の発展を目的とする競争的研究費である科学研究費助成事業
・神戸にも大阪にも近く、利便性の高い駅近キャンパス
・アメリカに分校を持つ希少性
・昭和初期の名建築・旧甲子園ホテル(現甲子園会館)を学舎として活用する上甲子園キャンパス
・卒業論文等(卒業研究・卒業演奏・卒業演習)が全学生必修
ほか
上記の強みをはじめ、これからは本学の総合大学としての多彩な学問、ジェンダーバイアスに縛られない価値意識を性別、国籍、年齢の枠を超えて広げていかなければなりません。より多様な価値観が融合し、多様な人が協働して新たな価値を生み出す大学、すなわち「ダイバーシティと研究力で旋風を起こす大学」への進化です。
こうした理由から私たちは「共学」ではなく、「皆学」という言葉でこの変革を再定義し、時代の先駆けとなるべく、「武庫川大学」として歩み出すことを決めました。
■ 武庫川女子大学
母体となる学校法人武庫川学院は教育者・公江喜市郎が1939年に創設。その10年後、1949年に開学した大学は2025年現在、13学部21学科、大学院8研究科14専攻を擁する日本最大の女子大学に発展しました。丁寧かつアカデミックな教育ときめ細かなキャリア支援に定評があり、教員採用試験、各種国家試験で高い合格実績があります。近年はかつて男性中心だった建築や経営にも学びの領域を広げ、科研費新規採択率等を指標とする研究力でも、常に私立大学の上位につけています。学生の課外活動では、オリンピックをはじめ、世界で活躍するアスリートを多数輩出し、文化活動も盛んです。また、本学はジェンダーや多様性に対する理解促進をはかり、社会で活躍できる自立した女性の育成に努めてきました。2022年からは「新しい武庫女教育」と銘打って、伝統的な教育・研究のあり方をパラダイムシフトする教育改革に取り組み、2023年には新人材育成方針「MUKOGAWA COMPASS」を策定して本学で身に付く8つの力を定義しました。武庫川学院は大学・大学院を中心に、附属保育園、附属幼稚園、附属中学校・高等学校を擁しており、大学の共学化により、附属中学校・高等学校を除き共学となります。