海外で1年間、研究活動を行った教員3人による「在外研修報告会」が行われました。

English below. 

 

2021年度～2023年度に在外研修制度を利用して海外で1年間、研究活動を行った教員3人による「在外研修報告会」が18日、メディアホールで行われ、学生・大学院生約35人、教員約45人、職員約20人が熱心に聞きました。

 

在外研修制度は本学の教員が海外の大学に拠点を置いて、自らの研究を追究することができる有給の長期研修制度。在外研修の成果を学内の教職員に知ってもらい、海外で得た知見を共有しようと三好庸隆・生活環境学部長が企画・実施しました。

 

報告を行ったのは生活環境学科の鎌田誠史准教授、応用音楽学科の松本佳久子教授、社会情報学科の井上重信准教授。

 

教員らはこの制度を利用したきっかけや受け入れ先大学の特徴、研究内容をはじめ、その国の歴史や文化などを豊富な写真や映像を使って報告しました。鎌田准教授は2023年9月から1年間、ギリシャで研修を実施。アテネ工科大学の建築学部に客員研究員として在籍しながらエーゲ海に浮かぶキクラデス諸島のパロス島に住み、島々をめぐりながらフィールドワークを行いました。厳しい自然環境に立ち向かうため、密集して生きる島の暮らしを研究した鎌田准教授は「研修は自分の価値観や人生にも影響を与えたと思う。この成果を生かし、小さく生き抜く共存の構造についてさらに研究を深めたい」と話しました。

 

受刑者や非行少年に音楽を媒介としたナラティブ（語り）・アプローチを行う松本教授は、2022年9月から1年間、フランスのトゥール大学にポスドク研究員として在籍し、ライフストーリーを大切にするフランスの生涯教育やナラティブ研究に参画。パリ郊外の２つの矯正施設で受刑者10人にインタビュー調査を行ったことを報告し、日本より犯罪発生率が高く、移民問題も抱えるフランスで音楽が力を発揮する可能性を伝えました。

 

井上准教授は2021年度、バルト三国のひとつであるエストニアのタルトゥ大学に客員研究員として籍を置き、デジタル先進国として知られる同国の国家ブランディングを研究しました。「研修期間はコロナ禍と重なったため、様々な制約を受けた」としながらも、情報化で世界先端を行く行政の取り組みの数々、ソビエト連邦からの再独立を勝ち取った「歌の革命」の歴史、ユニークで豊かな自然、そしてロシアとの複雑な関係と平和への希求など、その国に身を置いたからこそ見えてきた魅力と事情を紹介しました。

 

Three faculty members of the University, who had participated in the Overseas Study Program from 2021 to 2023, shared their experiences and research findings at a recent presentation. The Overseas Study Program is a long-term, funded program that allows faculty members to conduct research at foreign universities.

 

The presenters discussed their motivations for participating in the program, the specific universities they attended, and their research topics. They also shared insights into the cultural and historical aspects of the countries they visited.

 

Associate Professor Kamata conducted fieldwork in Greece, focusing on architecture and the local culture. Professor Matsumoto explored music-mediated narrative therapy in France, interviewing inmates and juvenile offenders. Associate Professor Inoue studied nation branding in Estonia, a digitally advanced country.