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社会情報学科の萩原淳一郎教授が参画する研究の成果が、国内最大級の情報セキュリティシンポジウムで発表されました。

2026/10/30

 社会情報学部社会情報学科の萩原淳一郎教授が参画するJST「経済安全保障重要技術育成プログラム」の研究課題の成果が、10月22日、アクトシティ浜松で行われた「コンピュータセキュリティシンポジウム2026(CSS2026 主催:情報処理学会)」で発表されました。

CSSは情報セキュリティ分野で国内最大級の年次シンポジウムです。今年は10月19日から5日間行われ、大手企業や大学、官公庁から多くの研究者・技術者が参加しました。


研究のテーマは、時々刻々と集まるデータを、個人のプライバシーを守りながら、精度を落とさずに公開する技術です。人の流れや交通量、電力の使用量など、社会には一定の時間ごとに繰り返し集計され、公開される統計が数多くあります。こうした統計を公開する際には、個人が特定されないよう「差分プライバシー」と呼ばれる数学的な保護技術でデータにノイズを加えますが、保護を強めるほど統計の精度が落ちるという課題がありました。


 今回の研究では、本当の値は時間とともに滑らかに変化する一方、加えられたノイズは時点ごとにバラバラであることに着目。すでに公開された値の「時間の流れ」だけを手がかりに、地図アプリや人工衛星の軌道計算にも使われる「カルマンフィルタ」という手法を応用してノイズを取り除く方法を提案し、その有効性を理論的に解析しました。さらに実例として、携帯電話の位置情報などから「いつ、どこに、どれくらいの人がいるか」を推計する人口統計の時系列データを用いて検証。各時点の公開に対するプライバシー保護の基準を変えることなく誤差を削減できることを確かめました。人口統計は災害時の避難計画やまちづくり、混雑緩和などに活用されており、こうした現場で「守りながら使える」データの実現につながる成果です。


本研究は、京都橘大学の寺田雅之教授を中心とするチームで進めており、当日は共同研究者の赤塚裕人氏(京都橘大学/株式会社アト)が登壇、発表しました。


 萩原教授は「社会情報学部ではセキュリティの授業も担当しています。企業の実際のデータを守りながら社会に役立てる、いわば最前線の研究で得た知見を授業にも還元し、学生には情報セキュリティを『社会を支える技術』として身近に感じてもらいたいと考えています」と話しています。


 

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