高齢者栄養科学研究センターと附属幼稚園が、幼児期の食育のあり方を考え、役立つレシピをまとめた本「おしえて! 幼児の食育Q&A」を出版しました。
2011/03/04
「高齢者栄養科学研究センター」と附属幼稚園が連携した「食育プロジェクトチーム」=写真中と右=がこのほど、幼児期の食育のあり方を考え、役立つレシピをまとめた本『おしえて! 幼児の食育Q&A』(武庫川女子大学出版会発行、A5判、96ページ、定価1000円)=写真左=を出版しました。編集は武庫川女子大学高齢者栄養科学研究センター・食育プロジェクト、監修は蓬田健太郎・食物栄養学科教授/水谷孝子・教育学科教授・附属幼稚園園長/為房恭子・食物栄養学科教授です。
「幼児期に食べると良い食べ物はありますか?」など62件の質問に対する回答を、「食事内容(メニュー)」「食事内容(食品)」「おやつ(間食)」「偏食」「野菜」「牛乳」「食事量」「食態度」「外食」「子どもの健康」「生活」「その他」の12項目に分けて掲載。巻末付録の「お役立ち! レシピ集」では、手軽に作れる朝ご飯の「簡単ココット」など23のレシピを紹介しています。
プロジェクトに携わった伊藤沙央里さん(2010年3月 大学院 生活環境学研究科 食物栄養学専攻 修士課程修了)は「大学4年生の実習を経験して、『食育』の面白さを感じ、大学院で食育に関する研究をしようと思いました。附属幼稚園の保護者の方々に『食育ノート』を通して質問をいただき、その回答をお返しすることで、実際の食事内容や健康状態が改善されることを目標に取り組みました。本が完成して本当に嬉しいです。幼稚園児を子どもに持つ保護者の方や、保育の仕事を目指す学生さんたちに、ぜひ読んでいただきたいと思っています」と話しています。
【購入方法】武庫川女子大学ブックセンターと事業部売店、インターネットAmazon のサイト
※「武庫川女子大学事業部のサイト」から購入申込書をダウンロードし、FAXでお申し込みください。
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「高齢者栄養科学研究センター」は附属幼稚園が連携して立ち上げた「食育プロジェクトチーム」が、2008年度から幼児期の食育のあり方を研究してきました。出版したのは、その成果をまとめたものです=写真中は同チームの食物栄養学科のメンバー、同右は附属幼稚園のメンバー=。
本学の「高齢者栄養科学研究センター」は、2006~2010年の5年間、文部科学省の社会連携研究推進事業に指定され、高齢者の栄養、食生活の改善と生きがい高揚を目的とした支援について研究を進めてきました。さまざまな活動の中で、高齢者の健康状態は、成長過程での生活習慣と密接に関連しており、幼児期の生活が、その後の健康状態を左右することが分かってきました。
食育プロジェクトチームでは、実際の幼児の食生活や保護者の方が抱える疑問や不安を解消し、子どもたちの食育のあり方を模索することを目指して研究に取り組んできました。当時大学院生だった、伊藤沙央里さん(2010年3月、大学院生活環境学研究科食物栄養学専攻 修士課程修了=写真中央・右から2人目=)の研究を元に、プロジェクトチームが発展させたものです。
オリジナルの「食育ノート」を用意し、附属幼稚園児の保護者約100人に配布、2008・2009年の春休みと夏休みの各1週間、毎日の生活と食事内容を記入してもらい、日々の食生活の中で保護者の方が抱く疑問や不安を集めました。保護者が抱く食生活をめぐる生の疑問・疑問に、食物栄養学科の教員(管理栄養士)や附属幼稚園の教員が丁寧に回答してきました。
『おしえて! 幼児の食育Q&A』は、兵庫県と大阪府内の幼稚園や保育所などに寄贈される予定です。