臨床医工学や情報学の領域の人材を育てる、関西5大学連携事業の活動報告会が、代表校の本学で開催されました。
2011/06/05
関西の特色ある5大学が連携して、「臨床医工学・情報学」領域の人材を育成するプログラムの3年間の活動報告会が6月5日、本学メディアホールで開催されました。このプログラムは2008年度に文部科学省から「戦略的大学連携支援事業」として選定され、本学と奈良先端科学技術大学院大学、大阪電気通信大学、大阪薬科大学、関西大学の関西の特色のある5大学が連携、本学が代表校になっています。報告会には、千熊正彦・同薬科大学長、都倉信樹・同電気通信大学長、新井泰彦・関西大学学長補佐らが参加されました。
「臨床医工学・情報学」の領域は、先進的な地域医療・社会福祉の実現と、医療機器、医療サービス、新薬開発など国際競争力を必要とする数多くの知識集約型産業を生み出す源泉で、多くの若者が夢を持って活躍できる分野です。これまでに、意欲のある若者を対象にして、体験型実習や異分野の学生とのグループワークを取り入れたカリキュラムなどで、地域の医療・福祉を支える人材を育成してきました。
報告会では、本学の糸魚川学長=写真中=が「このプロジェクトは、医工学や情報学の最先端を学び、実践するものです。女性の理系人材育成もうたっており、女子大学である本学としても意義深いものです」と開会あいさつ。
本学食物栄養学科の福尾惠介教授=写真左=が事業の概要を説明。この3年間に開発した六つの新規教育プログラムを5大学の担当教授が報告しました。報告者と報告した内容は以下の通りです。
関西大学の大場謙吉教授「リベラルアーツ教育プログラム」
本学の盛山正仁教授「社会教育プログラム」
大阪電気通信大学の松村雅史教授「プレプロフェッショナル教育プログラム」
大阪薬科大学の千熊正彦学長「理系女性人材育成プログラム」
奈良先端科学技術大学院大学の湊小太郎教授「高大連携教育プログラム」
福尾教授「サマースクール」
さらに広域の大学連携にー今後の展望
続いて、福尾教授が「今後の課題と展望」について報告しました。外部・内部・学生の3評価の結果、浮かび上がった課題として、受講学生が少ないことをあげ、「科目名や受講のメリットが分かりにくく、開催の時間帯にも課題あるようです。広報も不足しています」と指摘しました。
カリキュラム内容に関しては「難しすぎるという声もあるので、教育プログラムの見直しが必要。武庫川女子大学では、プログラムを検討する委員会を立ち上げました」と話しました。
今後の展望については「事業は5大学の連携で始まりましたが、関西で参加したいという大学はあるので、さらに広域の大学連携にしていきたい。また、コンソーシアム関西との連携も視野に入れたい。参加した学生は、いろいろな気付きがあり、意識が変化し、社会貢献したいという意欲も高まっています。カリキュラムを参加しやすいものにし、受講生を増やし、習得した知識を応用し、事業をより充実したものに発展させていきたいと考えています」と締めくくりました。
最後に藤原章夫・文部科学省大学振興課長=写真右=が「高等教育の現状と大学間連携への期待」と題して、特別講演しました。