アメリカ分校に留学中の短大英語コミュニケーション学科の学生108人が、現地で初の企業研修に参加。引率の三宅准教授からリポートが届きました。
2012/11/08
アメリカ分校「MFWI」(ワシントン州スポケーン市)で学んでいる短期大学部英語コミュニケーション学科1年生108人は10月16日から19日まで、シアトル近郊の企業を訪問、「ビジネスとキャリア」をキーワードとした企業研修に参加しました。ボーイング社=写真左=など世界的に知られる企業を訪れました。
同学科では今年度から米国での企業研修を実施しています。日本での企業研修と合わせて、学生のキャリア意識を育てています。今回、学生が訪問した米国企業は、ボーイング社とマイクロソフト社です。ボーイング社では、最新鋭の飛行機(ボーイング787やボーイング787-8)を製造する工場を見学、その規模の大きさと飛行機1機が完成するまでの行程を目の当たりにしました。同時に、ボーイング社の飛行機に日本の技術力が数多く生かされていることを知り、学生たちは日本企業と米国企業とのつながりを実感しました。
学生の希望に応じて、15人から30人のグループに分かれて、5つの日系企業(日本通運アメリカ、サンケイトラベルアメリカ、兵庫ビジネス文化センターなど)も訪問。兵庫ビジネス文化センターでは、センターの日本文化普及事業や兵庫県産品の販売促進事業、インターンの受入、第二次世界大戦前後の日系人の苦悩の歴史などについて学びました=写真右=。期間中は、日系企業の担当者をホテルに招いて話を聞く機会も設けられ、学生たちは積極的に質問していました。研修後に実施したアンケートで、学生たちは「英語圏で働きたいと強く思うようになった」「やりたいことの視野が広がった」「海外で働く日本人はすごく輝いていてかっこ良かった」などと感想を書いていました。
MFWI副学長の村端五郎教授は「海外での企業研修は初めての試みです。学生の評価も高く、大成功でした。学生もたくさん刺激を受けたようです」と手応えを話しています。 研修の様子は、村端五郎MFWI副学長のブログ「MFWIだより」でも紹介されています。また、日米両国で企業研修し、キャリア教育をますます充実させる英語・コミュニ-ション学科は2013年4月から「英語キャリア・コミュニケーション学科」に名称変更します。
11月8日、学生を引率した同学科の三宅弘晃准教授からリポートが届きました。
今回のシアトル旅行の英語名は "Seattle quest trip"。これは、単にシアトルを観光するのではなくquest、つまり明確な目的を果たすために行われる「研修旅行」であることがはっきりと示されています。
初めに訪れた the Isaac farm は、160k㎡という広さ。地平線まで広がる農地と青い空はアメリカならではの迫力です。宿泊地の Leavenworthはドイツ風の街並みを活かした地域振興が成功した地方で、異国情緒あふれるひとときを楽しみます。翌日のBoeingとMicrosoft訪問では、最先端のモノづくりと技術革新に触れます=写真中=。太平洋を越えて飛ぶような超大型航空機が何機も並べられて作り上げられる場面に圧倒されます。その夜、日系企業から来た講師の方から日本企業がどのようにアメリカで活躍しているかについて英語で講演を受けたあと、翌日は実際にオフィスを訪問しました。憧れであるアメリカでの就職を実現するため、どのような壁を越えるべきか、またどのような喜びや楽しさがあるのかなど活発に質問し、毎日の心がけと自発的な学びが大切であることを改めて知ることができ、ともすれば非現実的なキャリアへの憧れを日常生活の何気ない振る舞いと結びつけ、現実の延長にあるものとして考えるきっかけとしました。
「アメリカの職業事情」を実地体験することを目的とした一週間の短大生対象のこの旅は、大学・短大を含め、今までのMFWI留学にはなかった驚きと学びが詰まっていました。文字通り「人生(キャリア)を変える旅」となったに違いありません。(英語文化学科准教授・三宅弘晃)