NEWS

後輩に核兵器の脅威と平和の尊さを伝えたいー。被爆体験の「語り部」になる卒業生が、共通教育科目の授業「戦争と女性」で特別講義しました。

2013/06/25

 被爆体験を伝える「語り部」になる本学の卒業生が「やがては母親となる後輩に、核兵器の恐ろしさや平和の尊さを伝えたい」という思いを込めて6月24日、共通教育科目の授業「戦争と女性」(担当:河内鏡太郎教授)で特別講義をしました。

 ※この話は、サンテレビの同日夜の番組「NEWS PORT」で『被爆体験、平和の尊さを後輩へ』のタイトルで4分間にわたって放映されました。また、翌25日付の毎日、読売両紙の阪神版で、『被爆者の魂伝承 小国さん学生に 武庫川女子大』『広島被爆 伝承者が講義 研修中の小国さん武庫川女子大で』の各見出しの記事で紹介されました。

祖母の戦争体験が語り部を志す契機に
 講義をしたのは、芦屋市在住の小国美弥子さん(48歳)=写真右=。小国さんは1988年、武庫川女子大学文学部国文学科を卒業、90年に同大学文学研究科国語国文学専攻を修了しました。
 小国さんの祖母は戦時中、高松市で助産婦をしていました。4人のお産間近の妊婦の世話をしていましたが、空襲で自宅が消失したため、京都に疎開しました。その後、「赤ちゃんを取り上げられなくて、本当にごめんなさい」と悔い続けていた祖母を見て、小国さんは戦争体験を語り継ぐことが大切だと考え、広島市の「被爆体験伝承者養成事業」に応募。昨年6月から被爆体験の証言者「語り部」から被爆の実相のレクチャーやアナウンスの講習などを受けており、来春に伝承者として認定される予定です。

「皆さんが伝える立場になった時、今日の話を思い出して」と小国さん
 小国さんは特別講義=写真左=で、戦時中に広島で学童疎開をしていて被爆した人ら被爆者3人の体験や思いなどを紹介。「戦争で被害に遭ったのは広島だけではありません。甲子園球場や神戸なども空襲に遭いました。母校・武庫川学院も校舎が焼かれ、学生らがバケツリレーで消火にあたりました。私たちの住んでいる阪神も被害に遭ったことを伝えていきたいと思います」と戦争は身近なところでもあったと強調しました。
 そして「学生の皆さんは将来、お母さんになります。多くの人は教壇に立ちます。そのような伝える立場になった時、今日の話を思い出してください。今度、広島に行く時は、修学旅行とは違って、路面電車やバスに乗り、広島の空気を感じながら考えてほしい。阪神地区にも、西宮砲台、小説『火垂るの墓』の主人公がいた池など戦争の舞台になったところがあります。そういう、身の回りにあるところから(戦争を)感じていってください」と呼びかけました。

「原爆、平和に関する考えが変わった」「友達、家族、子どもに伝えたい」と受講生
 受講した学生は「この授業を受ける前と後とで、原爆や平和に関する考え方が変わりました。どんなに原爆がひどいものだったのかを実感しました。原爆は一瞬でも、後遺症は今なお続いていることも知りました。原爆を過去のことにせず、事実として受け止め、後世に伝えていかなければならないと思いました」「こういう話を初めて聞くことができて、知ることは大切だと改めて思いました。今日学んだことを、家族や友達、そして将来は自分の子どもに伝えていきたい。そして、もっと多くのことを知って、学びを深めていきたいと思いました」などと話しました。

 ※「被爆体験伝承者養成事業」=被爆者の高齢化が進み、被爆体験を直接に語り継ぐ人が減少していることから、広島市が2012年度から始めた事業。伝承者は語り部から被爆体験などを受け継ぎ、被爆の実相や平和への思いなどを次世代に語り継ぎます。

MUKOJO SNS

  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のFacebook
  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のtwitter
  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のLINE
  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のinstagram
  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のyoutube
CLOSE