伝統野菜を学ぶ公開講座で、教育学科酒井研究室の学生が、武庫女生まれの「ラビーいちご」栽培の取り組みをPRしました。
2016/12/01
伝統野菜について学ぶ公開講座「兵庫の伝統野菜と甦(よみがえ)る鳴尾いちご」(阪神南地域ビジョン委員会 あにあんクリエートグループ主催)が11月26日、武庫川女子大学学校教育館で開かれ、教育学科酒井達哉研究室の学生が、「鳴尾いちご」を地域教材として活用する取り組みについて、発表を行いました=写真左=。
公開講座は県内各地の伝統野菜について学び、自然や郷土に対する愛情を養ってもらうもので、地域住民をはじめ自治体、営農関係者ら約100人が参加しました。
酒井研究室の学生たちは、鳴尾いちごの歴史や大学での「ラビーいちご」栽培の取り組みを紹介したあと、学校教育館屋上の育成地を参加者に見学してもらい、苗をプレゼントしました。=写真中=
酒井研究室は2015年度から、大学がある鳴尾地区で明治から昭和の初めにかけて栽培された「鳴尾いちご」を地域教材にとして活用しようと、学校教育館内の畑で、昭和30年代後半に宝塚市の農業試験場で交配された品種の「宝交早生」の栽培を始めました=写真右=。本学のキャラクター「ラビー」にちなんで「ラビーいちご」と名付けて、地域の小学校や図書館などで子どもたちに苗をプレゼントしてきました。また、今年は西宮市の洋菓子店「ベルン」のパティシエの指導を受け、ジャム作りも行いました。
学生たちは11月28日には、西宮市立鳴尾小学校を訪れて、2年生の児童約70人に劇を演じて「鳴尾いちご」の歴史を紹介し、ペットボトルを利用したいちごの栽培キット作りの指導を行いました。子どもたちは来年5月の収穫をめざし、栽培に取り組みます。
この日の公開講座では、学生の発表に先立って、兵庫県農産園芸課の浜野宏治さんが、各地の伝統野菜を紹介しながら、「近年の地産地消の機運の高まりから、伝統野菜が注目されている。希少性や物語性を活用した地域ブランドを育成するため、行政や農業団体などが連携した産地の振興に取り組みたい」と話しました。つづいて、JA兵庫六甲西宮営農支援センターの池田智恵さんと同尼崎営農支援センターの池田聖弥さんが、西宮、尼崎両市の伝統野菜である「大市ナス」(西宮市)、「一寸そら豆」(尼崎市)、「尼藷(イモ)」(同市)の栽培の取り組みについて、報告をしました。
参加者からは「各地の伝統野菜を、1か所ですべてを見ることができる野菜園があれば、理解と普及につながるのではないか」「地域の野菜を地元のスーパーなどの店頭に並べることができるよう、支援をしてほしい」などの意見が出ました。