作家の桐野夏生さんを招き「作家と語る」第4回が開催されました。
2017/06/17
武庫川女子大学附属図書館は6月17日、作家の桐野夏生さんを招き「作家と語る」第4回を公江記念講堂で開催しました=写真=。学生や一般の方、約600人が参加しました。
「作家と語る」は本学の大学・短期大学部の学生1万人を対象にした「読書に関わるアンケート調査」の結果、学生に支持が高い女性作家を招き、学生と作家をつなぐイベントです。今回は『柔らかな頬』で直木賞、『グロテスク』で泉鏡花文学賞、『残虐記』で柴田錬三郎賞、『東京島』で谷崎潤一郎賞など多数の受賞作のある作家 桐野夏生さんを迎え、学生・卒業生6人とトークセッションを行いました。
今回の「作家と語る」に向けて、附属図書館では桐野作品を取り上げる読書会を8回開きました。参加者が作品を読みグッときた一文を切り出して、なぜグッときたのかをまとめた冊子を作成、一文を書いたうちの6人が壇上で桐野さんとのトークセッションに臨みました。
桐野さんは参加者の作品への思いや質問に応じ「作品の中で色々な女性の生き方、生き辛さを表現し、それが伝わっているとわかってうれしく思います」「小説では人物を戯画化して表現し、未知の体験をしてもらう実験的なこともしています」などと話しました。
会場からの「小説を書くとは?」という質問に「生きている現実とは違う、もうひとつの世界を構築すること。その世界を強固で魅力的にしたい」と創作の姿勢を語りました。
最新刊「デンジャラス」では谷崎潤一郎の夫人・松子やその妹の重子の『船場ことば』の監修をした田中孝子氏(甲南大学 日本語日本文学科教授)から「細雪的な世界を感じてもらうための監修だった」との話があり、桐野さんは「小説世界の中の演出として、空気感や行間が違ってくるので、言葉の流れは重要」と話しました。
最後に「私はコミュニケーションが好きなので、関西のサイン会などで声をかけてもらえるのはうれしく思っています。今日はとても楽しく、この場に立ててうれしかった」と挨拶をしました。
トークセッション参加者(写真左の右から)
日置彩菜さん(英語文化学科4年)、辰己由貴さん(英語文化学科卒業)、山本千鶴さん(食物栄養学科卒業)、今井桃代さん(演奏学科2年)、杉山奈緒子さん(日本語文化学科卒業)、徳島佐由美さん(大学院看護学専攻修了)
コーディネーター
塩田えみさん(本学卒業生、フリーアナウンサー)