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大学院 生活環境学研究科 食物栄養学専攻の渡邊美咲さんが、日本家政学会関西支部の研究発表会で若手優秀発表賞を受賞しました。

2017/10/31

 日本家政学科関西支部の第39回研究発表会が10月15日、同志社女子大学で開催され、本学大学院 生活環境学研究科 食物栄養学専攻2年生の渡邊美咲さん(写真、調理学研究室所属、橋本多美子准教授指導)が「若手優秀発表賞」を受賞しました。

 渡邊さんの演題は「精白米への有機リン系難燃剤の汚染調査及び調理による消長」で、公衆衛生学研究室に所属していた大学4年生の時から研究を続けてきました。シックハウス症候群の原因物質である有機リン系殺虫剤は、脳内エステラーゼを阻害し、脳神経に悪影響を及ぼすことが知られています。渡邊さんが、有機リン系殺虫剤による室内汚染状況について精白米を指標とした調査を行ったところ、研究室でデータを取り始めた2007年以降、規制等により汚染状況は減少しているものの、新たに有機リン系難燃剤(PFRs)による汚染が認められました。
 そこで、精白米を指標にした有機リン系難燃剤(PFRs)による汚染の実態調査として、家庭での汚染状況を調べた結果、精白米への汚染は米の保存中に起こること、保存状態によって汚染度が変わること、さらに炊飯によって有機リン系難燃剤(PFRs)が大幅に減少することも判明。汚染を最小限に抑えるために、十分な換気と洗米、炊飯の必要性を示しました。

 渡邊さんは「食の安心・安全に興味があり、実験が好きだったこともあり、大学4年生の時、公衆衛生学研究室を選択しました。指導教員の吉田精作先生の退職に伴い、公衆衛生学研究室から調理学研究室に変わりました。事実を細かく確認していく公衆衛生学の実験から、調理学ではより実生活に寄り添う目線での実験に変化したように思います。実験するための一定の条件を作り出すことが難しく、大変なことも多かったですが、一つの結果が残せてホッとしています。就職してからも、食の安心・安全に関わる仕事をしていきたいと考えています」と話しました。

 若手優秀発表賞は、口頭発表を行った40歳以下の若手研究者の中から、内容の分かりやすさ、アピール度、表現能力、質疑応答への対応の的確さの4項目で審査して選ばれます。

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