生活美学研究所が第27回秋季シンポジウム『宇宙を瞬く花』を開催しました。
2017/12/04
生活美学研究所が12月3日、甲子園会館西ホールで第27回秋季シンポジウム『宇宙を瞬く花』を開催、200人を超える参加者が講演に耳を傾け、パネルディスカッションに参加しました。秋季シンポジウムは生活美学研究所設立の翌年1991年に始まり、毎年、年間のテーマを基にした企画で開催しています。
初めに、生活美学研究所の森田雅子所長=写真右=が「この美しい館に多くの皆様をお迎えできることを嬉しく思います。年間のテーマ『瞬』から『宇宙を瞬く花』と題し、日本における花の特別なしつらえの謎と本質を読み解くことができればと思います」と挨拶。
講演では未生流家元 肥原慶甫氏=写真左の左から2人め=が流派の伝書から一瞬や時間の経過を表す花のもてなしや表現について話した後、季節の紅葉を花材としてデモンストレーションを行い、作品を披露しました=写真中=。
続いて池坊次期家元 池坊専好氏=写真左の右から2人め=は、「いけばなの作品は一瞬の芸術ですが、文化として時間軸を越えるしなやかな力・特性を持っているものです。作品を生け、それを見る人と気持ちを分かち合うことが力になる、先人に倣い次世代に伝えることを考えていかなければ」と話しました。
京都造形芸術大学・准教授 井上治氏=写真右の右=は、いけばなが「空間芸術」でありながら時間も表現していることを、過去の文献などから読み解きました。そして「いけばな」が花を切る(自然に手を加える)ことで自然以上のものを表現する志向を持つことを話しました。
パネルディスカッションでは、講演を踏まえて改めて「花をいける」ことについて、それぞれの考えが示されました。また、参加者からの質問に応え、今後の華道界についても華展のあり方や情報発信の方法などが話されました。
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