武庫川学院80年史を発行、反響が続々届いています。特別編として「卒業生文集」も発行しました。
2020/07/13
武庫川学院80年史はこのほど発行し、学内をはじめ卒業生、地域の方々ら関係者に配布を進めています。今回の年史は学生のべ197人が授業で4年間かけて作った「わたしたちの80年史」との2冊セットです。授業を通じて学生が年史作成に取り組むのは全国でも例がなく、メディアからも注目されています。
武庫川学院80年史は4学部から10学部に発展したこの10年を軸に、「鳴尾・武庫川女子大前」駅と一体化した「武庫女ステーションキャンパス」や、100周年に向けた「MUKOJO ACTION」の取り組みなどを特集。武庫川高等女学校1期生や武庫川女子専門学校、短大2部など草創期から戦後の発展期を駆け抜けた卒業生をはじめ、学生、教職員の声を随所に入れて、人物誌ともいえる内容になっています。本学出身のオリンピアン、東京オリンピックに内定している学生も登場します。「武庫川学院八十年史」の題字は1期生で94歳の書家 吉野喜美子さんが揮毫しました。最大16か所あった学寮を回顧する「学寮物語」には、元寮生から「懐かしくて涙が出た」という声が寄せられています。
「わたしたちの80年史」は、2016年度~2019年度に開講した共通教育科目「本を編む」の授業で制作しました。実務経験のある複数の教員が指導にあたり、学生は名誉教授や学内の教職員にインタビューしたり、卒業生の座談会を見学したりして学院について学び、記事にまとめました。入学から卒業まで4年8期にわたり、継続して履修した学生もいます。インスタグラム風のページ、すごろくスタイルの年表、マンガで読む「校祖・公江喜市郎ものがたり」など楽しいアイデアは、学生のグループワークから生まれました。履修生全員の署名入り記事を掲載。表紙は「本を編む」にちなみ、学生が編み物や刺繍をモチーフにデザインしました。
「わたしたちの80年史」の制作に関わった日本語日本文学科2年、上堀内愛理さんは「出来上がった本を手にしたとき、刊行されたんだと実感しました。自分の名前が載ったのはうれしい反面、責任の重さを感じています」、4年間履修し、この春卒業した湯浅愛理さんは「卒業アルバムのような気持ちで受け取りました。貴重な経験でした」と話しています。
編集長を務めた河内鏡太郎教授(図書館長)は「年史に新規性を吹き込もうというのが出発点でした。取材によって事実を掘り起し、読み物として楽しめる年史をめざしました。授業を通じて学生が年史をつくるというきわめてユニークなチャレンジも、学生一人ひとりの個性と知恵が光り、楽しい仕上がりになりました。学生にとって、一生の宝物になるでしょう」と話しています。
年史編纂の過程で、同窓会組織「鳴松会」を通じて情報提供を呼びかけたところ、多くの卒業生から原稿やメモ、資料などが届きました。これらは80年史に反映するとともに「卒業生文集」としてまとめ、別冊「武庫川学院80年史特別編」として発行しました。様々な世代の卒業生の思い出と母校愛がつづられています。