◇活躍する卒業生12、13◇ダンスでつながる藤本真凜さん(附属高校2014年卒)/ 水香さん(短大食生活学科1999年卒)
2022/04/30
兵庫県の花や緑をPRする親善大使「フラワープリンセスひょうご2021」の代表プリンセスとして1年の任期を間もなく終える藤本真凜さん。2023年1月、東京・新国立劇場で上演されるミュージカル「キング・アーサー」にダンサーとして出演も決まっています。そんな藤本さんを高校時代から支えてきたのが、「ダンススタジオR」代表でダンス講師の水香先生。ダンスと武庫女でつながる師弟に話を聞きました。
藤本さんは附属中高時代、SS(スーパーサイエンス)コースに所属。武庫川女子大学薬学部を目指していましたが、「宝塚歌劇団の蘭寿とむさん(附属高校出身)のトップ就任公演を見て刺激を受け、ミュージカルを学べる音大に進路を変更しました」。クラシックバレエの経験はあったものの、受験に必要なスキルを身に付けるため、学校近くの「スタジオR」に通い出したのが水香先生との出会いでした。
「制服で通ってくるので武庫川の子やな、とすぐわかりました。基礎ができていたのでJazzの表現を教えるだけで通用する実力がありましたね」と、水香先生。自身も武庫川女子大学附属中高から短大食生活学科に進んだ武庫女OG。劇団四季やディズニーランドでダンサーとして活躍後、「子どもたちを指導したい」と2006年、西宮市で「ダンススタジオR」を立ち上げました。「一人ひとりに目が届くように」と、10人以下の少人数制でJazzダンスを中心にバレエ、フュギュアスケーターのダンス指導まで、幅広い世代を指導しています。
一方、藤本さんは音大卒業後、ユニバーサルスタジオジャパンでプロダンサーの道を歩み出しました。ショーやパレードには水香先生もたびたび応援に駆け付けました。さらに2019年秋、ディズニーランドのショーダンサーに決まり、拠点を東京に移した矢先、コロナ禍に直面。「地元に戻り、ダンスができる見通しもない中、何か新しいことにチャレンジしたくて」。フラワープリンセスに挑み、最終面接で得意のダンスを披露したのが選出の決め手になりました。
プリンセスの主な活動は県のイベントでの司会や広報活動。コロナ禍で活動は制限され、常にマスク姿でしたが、「イベントの数が少ない分、一つ一つが思い出深い1年でした。兵庫県の知らなかった魅力に出会うことができ、コロナ禍だから気づけたことも多いと感じます」と藤本さん。
水香先生もコロナ禍で教室が開けない時期を過ごしました。「コロナ禍ではダンスをはじめ、芸能全体が“余裕があるときの娯楽”とみなされているのを改めて感じました。でも、子どもたちにとってスタジオは身体を動かし、仲間と出会う大切な場。時には公園に集まってダンスで発散していました」。
今、スタジオはほぼ平常に戻り、藤本さんは「MARIN先生」として水香先生をサポートしています。セーラーの制服で通ってくる後輩たちの姿もあります。武庫川の学びで得たことを、水香先生は「親身になってくれる先生がいたこと。栄養士の資格は子どもたちの指導に活きています」、藤本さんは「一生の仲間に出会えた場所。様々な経験ができ、とにかく楽しい6年間でした」と振り返ります。
今後の夢を尋ねると、藤本さんは「踊れる間は舞台に立ち、いつか、水香先生のような指導者になりたい」と言い、水香先生は「たくさんの生徒を夢の場所に送り出し、応援に駆け付けたい。ダンスを通して、つながりが広がっていけばうれしい」と笑顔で話しました。