◇活躍する卒業生30◇World People USA代表 田村 玲子さん(1990年文学部教育学科卒)
2023/04/01
鳴松会アメリカ・カナダ支部長の田村玲子さんが3月29日、鳴松会館を訪れ、永田隆子幹事長から支部旗を手渡されました。アメリカ分校で2年間、RAd: Resident Adviser(レジデント・アドバイザー)の経験もある田村さんは、2019年に支部長就任以来、コロナ禍で支部旗の引継ぎがお預けになっていました。「ようやく旗を手にすることができ、支部活動を頑張って行こうと思いを新たにしました」。単身アメリカにわたり、30年以上。グローバルな生き方を体現する田村さんに話を聞きました。
田村さんの半生は「突然のきっかけ」の連続で前に進んできました。
住宅メーカーの内定を蹴ってアメリカに渡ったのは、恩師から言われた一言がきっかけでした。「特技があるのに普通に就職するのはもったいない。アメリカで自分にしかできないことをしたらどうか」。特技とは「そろばん10段」の腕前。英語が専門ではなかった田村さんですが、「これだ!」と、その日のうちに両親にアメリカ行きを宣言し、8か月後にはアメリカ・セントマーチンズ大学の大学院の門をくぐりました。
「博士課程に進んでいずれ日本で大学教員をめざそう」。そんな計画が狂ったのは修士課程を終え、博士課程に進学する直前の落馬でした。身動きがとれず、悶々としていたころ、母校からアメリカ分校勤務の話が舞い込みました。
次の転機はアメリカ分校で。同僚のアメリカ人から「あなたにぴったり」とMBA取得を勧められ、「これが自分の道だ!」と決断。Excelすらおぼつかない状態からサンダーバードグローバル経営大学院でMBAを取得し、ソフトバンクに就職しました。ここでビジネスのノウハウを体得。2004年、起業をめざす日本人を支援する会社をカリフォルニアで立ち上げます。コロナで日米の行き来が減ったことから、平行して進めていた不動産業に主軸を移し、現在に至ります。
「人生の転機には外からの力が働くみたい。だから流れに逆らわないようにしているの」。流れに乗るだけでなく、自ら切り開いてきた田村さん。「小さいころからそろばんで鍛えてきたから集中力と持久力があるんです。数字に強いのもビジネスでは大きな強みになっています」。加えて、武庫川女子大学で身につけた”徳性”にも助けられているそう。
「武庫女の人って明るくて優しくて嫌味がない。そんな”徳性”がビジネスで男性と伍していくうえでアドバンテージになっている気がします」。
終始笑みをたやさない田村さん。「女性ならではの良さを強さに変えたら無敵なのよ」と笑顔で言い切りました。