短期海外研修先のトルコから食創造科学科の学生たちが帰国しました。
2025/10/31
短期海外研修としてトルコのバフチェシヒル大学を訪問していた食創造科学科の学生たちが、2週間のプログラムを終えて10月25日に帰国しました。
実際に現地でトルコ料理を作り味わう経験を通じて、学生たちはトルコの食文化や調理技術の奥深さを学び、また様々な人々にお話を伺うことによって、その食文化を支える長い歴史や、社会的な背景について理解を深めることが出来ました。数々の歴史遺産や食をもとめて多くの外国人が訪れるトルコでの観光業の発展や、アジアとヨーロッパの間の人の流れの中に位置し、押し寄せる多くの外国人との共存を模索するトルコ社会の現在の姿は、どこか私たちがこれから生きる日本社会の未来に様々な示唆を与えてくれているように感じました。
また学生たちはカッパドキアを訪れ、その自然が気の遠くなるほど長い時間をかけて作り出して作り出した景色の雄大さや、はるか昔にここで人類の最初期の農業が営まれ、今日なお豊かな実りを与えてくれる大地の偉大さを感じることができました。日本とは大きく異なるその大地が昇る朝日に照らし出されていくのを、学生たちは熱気球に乗って眺めながら、世界の多様さと大きさについて実感することができました。
そして、バフチェシヒル大学の学生や教職員だけでなく、トルコで出会った多くの人々との交流の中で、学生たちは今まで感じてこなかった国境を越えた人々の心の繋がりを感じることが出来ました。特にバフチェシヒル大学の学生とは、トルコ料理と日本料理を教えあい、ともに味わう経験を通じて、また寮での生活や、一緒に学外に出かける中で打ち解けあい、強い友情をはぐくむことが出来ました。最初は語学に関する不安からコミュニケーションをためらっていた学生も、研修が進むにつれ積極的に交流を図れるようになりました。
この研修は学生たちの心の中に一生忘れることのできない経験として残るでしょう。バフチェシヒル大学の学長先生は「短い期間でしたが、皆さんはもはやバフチェシヒル大学の同窓生の一部です。イスタンブールをまた訪れることがあれば、ぜひ第二の母校と思って声をかけてください」と学生たちに話してくださいました。またお話を伺うことが出来たトルコに滞在するシリア人難民の方は「互いを知らないことの恐怖が敵意につながる。この敵意が今の世界には満ちている。だから若い世代の皆さんが互いを知り、友となることによって世界を平和にすることができる」と語ってくれました。学生たちがバフチェシヒル大学の学生との間に築いた友情は、平和な未来を創るための小さな種として、やがて大きく育ってくれることと確信しています。
この研修に同行した佐藤滋之准教授は「バフチェシヒル大学との食を通じた学生の相互交流は2023年にはじまり、これで3年目となります。この3年の間に本プログラムが大きな教育的な価値を持ち、学生に人間的な成長の機会を与えてくれることは両大学の共通した認識になりました。2026年度からこの相互交流プログラムは正規科目化が決定しており、将来にわたって食創造科学科の学生に大きな学びの機会を提供することになります。また学科として国際的な学びの機会をさらに増やしていきたいと考えています」と話しました。






