「その夢。あきらめるな!」 車椅子のバスケット選手・京谷和幸さんの講演会が開かれ、約200人の学生が熱いメッセージを受け止めました。
2009/12/09
車椅子のバスケットボール選手・京谷和幸さん(38歳)=写真右=が12月8日夕、中央キャンパスのメディアホールで「その夢、あきらめるな!」と題して1時間にわたって講演、参加した約200人の学生は京谷さんの「自分の夢、目標に真剣に向き合おう」という熱いメッセージを受け止めました=写真左=。
講演会は、大学健康・スポーツ科学科と短期大学部健康・スポーツ学科の学生たちでつくる「健康・スポーツ科学会」が、武庫川学院創立70周年記念の講演会として企画・主催しました。
京谷さんは小学5年の時からプロサッカー選手になる夢を抱き、19歳の時にプロ選手になった経緯をたどり、「さまざまな人との出会いが夢を後押ししてくれました」と自分一人の力では夢を果たせなかったと振り返りました。
21歳の時に交通事故に遭い、脊髄を損傷し、二度と歩けない体になりました。病院では看護師さんが食事の世話をしてくれましたが、退院して一人になると、京谷さんはお腹が空いても自分で食べ物を調達することができませんでした。この時、「自分はいろいろな人に支えられて生きてきた」ことを初めて知りました。失意のどん底にいる京谷さんに、恋人だった奥さんが「入籍しよう。一人で出来ないことも、二人なら出来る。乗り越えられる」と声をかけ、二人は結婚しました。
京谷さんは「妻の言葉、結婚したこと、それに退院後にお腹の空いた時に分かったこと。この三つがあったから、這い上がることができました。私は今、奥さんの自慢をしています」と話すと、会場はどよめきました。
最後に京谷さんは「人との出会いは、チャンスです。アンテナを張り巡らせて、チャンスをつかんでください。夢を持つ人は多いが、達成できるかどうかは、どれだけ真剣に夢に向き合っているかで決まる。夢に対して、真剣勝負を挑んでください」と呼びかけました。
※京谷さんは、元Jリーガーで、ジェフ市原(現千葉)のミッドフィールダーとして活躍。1993年に交通事故に遭い、車椅子の生活になりました。リハビリの一環として車椅子バスケットボールを始め、2008年の北京パラリンピックでは日本選手団の主将として出場しました。