本学の研究者や現職教師らが日本臨床教育学会を新たに設立。その設立総会や記念集会が本学で開催されました。
2011/03/19
不登校や非行、ひきこもり、学習障害など、現代の日本社会と子どもを取り巻くさまざまな問題に対応するため、本学・教育研究所の田中孝彦教授=写真右=ら研究者や現職教師など80人が呼びかけ人となって、「日本臨床教育学会」が3月19日、設立されました。
その設立総会と記念集会が同日午後、本学で開催され約100人が参加しました=写真左=。はじめに参加者は東北地方太平洋沖地震の犠牲者に黙祷をささげました。次に開催校を代表して、糸魚川直祐学長が「設立総会を本学で開かれたこと、厚く御礼申し上げます。皆様のご活躍をお祈りいたします」とあいさつしました。続いて田中教授・学会準備会代表が「日本における臨床教育学のこれまで、これから」と題して講演しました。田中教授は「東北地方太平洋沖地震が発生し、設立総会を予定通り開催するかどうか検討を重ねましたが、学会を通して、今回の震災とそれが引き起こした事態や今後起こるであろう、さまざまな問題にも対処することが必要だと判断し、本日、予定通り開催することにしました」「臨床教育学に取り組む人のミニマムの条件は、問題や困難に直面している子どもらに、具体的相談関係になろうと努力していることです」と説明しました。
臨床教育学とは、学会設立趣意書で「日本の教育会において20年ほど前から開拓されてきた分野です。したがって、まだ、どのような学問か、確定した定義があるわけではありません」と記され、「日本臨床教育学会では、臨床教育学を①子ども・若者や大人・老人の生活についての理解を深め、人々の生存と発達を支えるための、総合的な人間理解・子ども理解と発達援助の学問②福祉・医療・心理臨床・文化・教育、行政・労働・法律などの諸領域で働く発達援助専門職の専門性の問い直しとその養成・教育の学問③特に、教師の専門性の問い直しとその養成・教育・研修の改革のための学問」と位置付けています。