心筋細胞死機構を新発見した薬学部の中瀬朋夏講師が「第4回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム」でベストプレゼンテーション賞を受賞しました。
2011/09/27
薬学部薬剤学研究室の中瀬朋夏講師=写真左と写真右の左から4番目=が「第4回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム」でベストプレゼンテーション賞(最優秀講演賞)を受賞し、9月9日の「医療薬学フォーラム2011」で表彰されました=写真左から4番目が中瀬講師=。このニュースは、薬学部ホームページにも紹介されています。
独創的な視点から研究
講演題目は「Urocortin suppresses caspase-independent, non-apoptotic death on cultured neonatal rat cardiomyocytes exposed to ischemia(非アポトーシス型細胞死を治療標的としたウロコルチンの虚血心筋保護機構)」です。中瀬講師は2007年の本学着任後に、この研究を立ち上げ、独創的な視点から、心筋梗塞のような虚血心筋障害の発症と進行に重要な役割を果たす新たな心筋細胞死機構を見出しました。さらに、この研究成果はその延長線上に臨床応用を目指した薬物治療を見据えており、虚血心筋障害の治療戦略の開発につながると期待されています。
次世代を担う若手医療薬科学シンポジウムでは、今回初めて優秀発表賞が設定され、35歳以下の若手研究者、薬剤師を対象とし、厳正な選考により、臨床研究および臨床志向性の強い基礎研究であり科学的に優れた演題に対して贈られました。
「細胞の機能を制御して、病気を克服する方法の開発を」
今回の受賞に対し、中瀬講師は「高橋幸一薬学部教授をはじめ研究室のメンバーに心から感謝するとともに、これからもシグナル伝達分子やトランスポーターを標的として、細胞の機能を制御することにより病気を克服する方法の開発に意欲的に取り組みたい」と話しています。
中瀬講師は、1999年に武庫川女子大学薬学部を卒業。その後、大阪大学大学院薬学研究科博士後期課程を修了し、米国ワシントン州パシフィックノースウエスト研究所の研究員などを経て2007年に本学に着任しました。