動画ニュースで紹介! 「第1回 武庫女ビブリオバトル」が開かれ、学生・生徒による白熱した書評合戦が繰り広げられました。
2011/12/26
学生・生徒による書評合戦「第1回 武庫女ビブリオバトル」が12月10日午後、中央キャンパスのメディアホールで開催されました=写真左=。今年度からスタートした本学の読書活動プロジェクト「Lavyの扉」の一環として開催され、11組24人の学生生徒が最優秀チャンプ本を目指して、各5分間の白熱した書評プレゼンテーションをしました。
当日の様子は12月26日、本ホームページの「動画ニュース」に掲載しました。
今回の本のテーマは「女流作家」。11組の学生は、宮部みゆきや有川浩などの人気作家の作品を紹介しました。11組を3ブロックに分け、約40人の聴衆の挙手で一番読みたくなった本をブロックごとに決定、選ばれた3冊から最優秀賞が決まる―というルールで行われました=写真右=。
3グループに分かれて、多彩なプレゼン
第1グループで、チャンプ本に選ばれたのは、大学文学部日本語日本文学科3年の野田茜さん、久山安紀さんのペアがとりあげた「レベル7」(宮部みゆき著、新潮社)です。野田さんと久山さんは、漫才のようにかけあいをしながら、軽快な話術で本の魅力を紹介。客席は笑いと拍手に包まれました。野田さんは印象的な場面を朗読し、「細かな人物描写に思わず引き込まれ、まるで読んでいる自分が登場人物になったような錯覚に陥りました」と語り、久山さんは「緊張するようなシーンの後には、読者を思わず笑わせてくれるような展開があります。もちろんミステリーなので、全ての謎が解けた後のすっきり感はたまりません」と話しました。
第2グループでチャンプ本に選ばれたのは、附属高校3年、辰巳真菜さん=写真中の左=と木村愛さん=写真中の右=の「ストーリー・セラー」(有川浩著、新潮社)。物語に登場する人物関係をスライドで紹介しながら、複雑なストーリーを分かりやすく紹介しました。そして、「ただの恋愛小説に見せかけて、こんなにも複雑に謎が絡んだ物語はなかなかありません。読めば、私たちが話した仮説が分かるかもしれません。また、別の仮説が生まれてくるかもしれません。だからこそ、私たちはこの変わった小説を皆さんにお薦めしたいと思います」と結び、聴衆の興味を誘いました。
第3グループでは、一人で参加した情報メディア学科3年に西尾優里さんの「玉蘭」(桐野夏生著、文藝春秋)がチャンプ本に選ばれました。西尾さんは、スライドなどを一切使わず、ステージに設けられたイスに腰をかけて、落ち着いた口調で作品に出会った経緯などを話しました。西尾さんは「物語はもちろん、複雑な感情を『何もかも分かってもらいたい』という主人公・有子と『全てを分かってもらえなくてもいい』という浪子という対照的な女性が出てくるところも本著の魅力。自分がどちらに似ているかを考えながら読んでみてください」と会場に語り掛けました。
附属高3年の辰巳さんと木村さんがプレゼンした「ストーリー・セラー」が最優秀チャンプ本に
大河原学院長や糸魚川学長ら読書活動プロジェクトの委員の投票を経て、辰巳さんと木村さんの「ストーリー・セラー」が最優秀チャンプ本に選ばれました。
最優秀賞を受賞した附属高校3年生の辰巳真菜さんと木村愛さんは「校内に掲示されていたビブリオバトル大会のポスターを見て、気軽に応募しました。私たち2人とも本好きで、有川浩さんの大ファン。優勝できて、とてもうれしいです」と喜びを語りました。
優秀賞を受賞した日本語日本文学科3年生の野田茜さんと久山安紀さんは「対談形式を採用し、観客が飽きないように工夫しました。ミステリー作品の場合、結末やそのプロセスをこの場で言ってしまうと、これから読もうとする人にとっては面白くなくなるので、あらすじをどう表現するか2人でさらに工夫を重ねました。これまで何気なく本を読んでいましたが、人に紹介するには本気で本を読み込まないといけないなと感じました」と感想を話しました。
同賞を受賞した情報メディア学科3年生の西尾優里さんは「普段、あまり本を読んでいないのですが、今夏、書店主催のビブリオバトルに挑戦しました。今回、学内で大会があると知って参加しました。優秀賞をいただき、うれしいです」と話しました。
河内鏡太郎図書館長は「プレゼンテーションを聞き、エントリーされた本は考え抜いて選択されたものであったと感じました。それぞれの本が持っている意味を皆さんが受け取って、感じ取って発表していると痛切に感じました」と話しました。
プロジェクトの委員長を務める大河原学院長は「皆さんの発表には創意工夫が見られました。今日は知的な時間を楽しませていただきました。若い人の活字離れが叫ばれていますが、学生・生徒の皆さんには、少しでも本や新聞を読んでいただきたい」と会を締めくくりました。