透析患者さんにスペイン料理の美味しさと楽しさを―。透析食のオリジナルレシピのコンテスト「第4回バイエル・レシピコンテスト」で、食物栄養学科の学生チームがグランプリを獲得しました!
2012/01/30
食物栄養学科4年の学生6人が考案した、透析治療を受けている患者向けのレシピが、「第4回バイエル・レシピコンテスト」(主催:バイエル薬品株式会社)でグランプリに選ばれました。表彰式は5月19日に東京で行われます。
考案したのは池永桜子さん=写真左の右から3番目=、旭裕美子さん=同左端=、植村瑠実子さん=同右端=、奥田沙慧さん=同左から3番目=、廣野由紀さん=同左から2番目=、堀口昌美さん=同右から2番目=です。
今回のテーマは「透析患者さんに食べていただきたい『海外のおウチごはん』」。本学のチームが制作したレシピは「パエリア(スペイン風炊き込みご飯)&コカ」「レバー入り豚ひき肉ソテー(イベリコ豚ソテー風)」「トルティージャ(スペイン風オムレツ)、野菜のマリネ」「グレープソーダのゼリー(ワイン風味のゼリー)」=写真右=です。
池永さんたちは「バイエル・レシピコンテスト」に応募するに当たって、透析クリニックでアンケート調査を行い、透析患者の方々に「普段の食生活や食事で困っていること」「透析食に求めるもの」などについて話を伺いました。その調査の結果を基に、メンバーの間で意見を出し合い、試作を重ねながらレシピを完成させました。
スペインの華やかさと満腹感を
透析の治療を受けている患者の食事には、塩分やたんぱく質、カリウム、リン、水分の量を少なくすることが求められます。主食である「パエリア」は米の食感が失われないように水分調整を何度も重ね、主菜の「レバー入り豚ひき肉ソテー」に使われる野菜は、加熱調理の際も茹でこぼし(茹でて、その汁をこぼし捨てる)をすることでカリウムを減らし、デザートの「グレープソーダのゼリー」には無果汁の炭酸飲料が使われています。制限をしっかりと守りながら、スペインの代表的なパン「コカ」やオムレツ「トルティージャ」、国花であるカーネーションを模した「野菜のマリネ」など、一品一品にスペインという国の華やかさを盛り込んでいます。スペイン料理の特徴である平たく盛られた料理は量を多く見せる効果もあり、視覚的にも満足感が得られるようになっています。
「患者の食に対する意識と向き合う」
グランプリ受賞を受けて、福田也寸子・食物栄養学科准教授は「学生たちが患者の方々の食に対する意識としっかり向き合ったことが評価されたのだと思います」と話しました。リーダーの池永さんは「レシピを制作する中で、メンバーの間で衝突することもありましたが、みんなで試行錯誤しながらかけた時間と、これまでゼミで学んだ臨床栄養分野の知識が認められてうれしかったです」と喜びを語りました。