「高齢者社会における薬と食」をテーマに、薬学部創設50周年を記念する講演会が行われました。
2012/11/25
薬学部創設50周年記念講演会が11月25日午前、中央キャンパスの公江記念講堂で行われました。学生・教職員や市民ら約700人が「高齢者社会における薬と食」をテーマにした講演に熱心に耳を傾けました。
市川厚・薬学部長はあいさつの中で「iPS細胞の研究や新薬の開発など、医療はどんどん進化しています。しかし、これからの私たちにとって何より重要なことは、日々自らの健康に気を付けることです。そこで、高齢者のための食事と薬をこの講演会のテーマに選びました」と講演会の趣旨を説明しました。続いて、先日の第65回全日本合唱コンクール全国大会で銀賞と銅賞を受賞した、附属中学・高校コーラス部総勢104人が歌声を披露=写真中=。「Fight」や「川の流れのように」「くちびるに歌」などを歌い、30分にわたるステージで観客を魅了しました。
日本薬剤師会常務理事の堀美智子氏=写真右=(医薬情報研究所/株式会社エス・アイ・シー取締役)は「高齢多死社会における薬局薬剤師の役割」と題して講演。高齢多死社会で薬剤師に求められる仕事の役割が幅広くなっている現状を紹介、私たちが日頃からかかりつけの薬局と薬剤師を持つことの重要性を話しました。そして「薬剤師の資格は生活者のためにあります。身近な薬剤師の能力を活用してください。そのために薬局薬剤師は日々勉強し、頑張っていきたいと思っています」と聴衆に熱っぽく語りかけました。
武庫川女子大学国際健康開発研究所長の家森幸男教授=写真左=は「進化栄養学から見た“メタボ”の克服-地球の未来を開く-」というテーマで講演しました。家森教授は、世界25カ国60を超える地域で調査してきた、血管の病気と栄養に関する研究結果を紹介。健康長寿を実現する食事の基本は大豆食や魚食で、大豆に多いマグネシウム、魚介類に多いタウリンを摂っている人ほどメタボリックシンドロームのリスクが低いというデータを示しました。そして、「日本は高齢化社会のトップランナーです。日本が世界にお手本を示せば、人類の健康な長寿社会の展望が開けます」と話しました。
午後からは西宮市内のホテル「ノボテル甲子園」で記念式典・祝賀会が行われ、関係者らが学部創設50周年を盛大に祝いました。