「よく生きるってなんだろう?」子どもを病気で亡くした大学院生が命の大切さを語る講演会が、別の大学院生らの企画で周南市で開催されました。
2007/03/30
子どもを病気で亡くした家族の会「小さないのち」代表で大学院生の坂下裕子さん=写真左=の講演会「よく生きるってなんだろう??~子を亡くした母からのメッセージ」が3月25日、山口県周南市の県周南総合庁舎で開かれました。企画したのは大学院で教育学を専攻する豊川かおりさん=写真右=。全国各地で命を粗末にする事件や事故が相次いでいますが、2人の院生の活動が周南市に命の大切さを考える種をまきました。
周南市出身の豊川さんは昨年8月に徳山高専で起きた殺人事件をきっかけに「当たり前だけど大切なことについて考える機会を持ちたい」と考え、高校時代の同窓生らに協力を呼びかけて、坂下さんの講演会を企画しました。
講演会では、98年に長女(当時1歳)をインフルエンザで亡くした坂下さんが「生きていることが苦しかった日々」を振り返り、苦難を乗り越えたすえに「やっぱり、この世はいいところ」と感じ、「よく生きる」ために立ち上がったことを1時間半にわたって語り掛けました。約120人の聴衆は時折、涙ぐみながら聞き入りました。
豊川さんは3月に大学院を修了、4月から神戸の小学校の先生になります。「教育の場でも『よく生きるってなんだろう』という問いかけを続け、子どもたちと一緒に考えていきたいと思います」と話しています。