薬学部の川原さと実助手が日本薬剤学会第29年会で最優秀発表者賞を受賞しました。
2014/08/05
薬学部助手の川原さと実さんが、日本薬剤学会第29年会で最優秀発表者賞を受賞しました=写真右。
同学会は、埼玉県さいたま市の大宮ソニックシティビルで5月20日~22日開催され、講演題目は、「乳がん細胞の低酸素ストレス応答に対する亜鉛トランスポーターZIP6の役割」です=写真左。乳がんのような固形がんでは、腫瘍内部に正常な組織が認められません。このことが原因で、乳がんは低酸素環境下でも生存が可能(がんは難治化します)であると推測されています。今回の研究成果では、低酸素環境における乳がん細胞の生存機構を解析し、その機構に亜鉛トランスポーター(*注)が重要な役割を果たすことを明らかにしました。川原助手は、薬剤学研究室(?橋幸一教授、中瀬朋夏講師指導)で、約3年かけて本研究を進めてきました。
今回の受賞に対し、川原助手は、「これまで支援、協力してくれた方々に心から感謝しています。これからも、新しい視点から乳がん治療の標的となる分子を見つけるため、さらに精進していきたいと思います。」と話していました。
本賞は、研究内容、質疑応答の態度などを審査員が厳正に審査します。その結果、特に優秀な発表をした、将来の発展が期待される32歳未満の若手研究者に対して送られます。今回は、熱意にあふれ、分かりやすくかつ学術上注目すべき内容を有していた点が評価されました。
(*注)亜鉛トランスポーターとは、必須微量元素である亜鉛の細胞内外の輸送を担う膜タンパク質のことで、近年、その発現量と疾患との関係が注目されています。
薬学部教授・森山賢治