被爆体験伝承者で本学卒業生の小国美弥子さんが、学生に原爆の被害や平和の大切さを語りました。
2015/07/06
広島市・被爆体験伝承者の小国美弥子さんが7月6日、母校の本学で共通教育科目「アウシュビッツ 戦争と女性」のゲストスピーカーとして登壇し、原爆の被害や平和の大切さを語りました=写真=。
小国さんは中学生の時、戦争体験を聞いてくるという宿題で、戦時中に高松で助産師をしていた祖母の話を聞きました。空襲で疎開のため、妊婦や赤ちゃんの命を助けられなかったことを悔やみ続けていた祖母の言葉を聞いて、小国さんは戦争体験を語り継ぐことが大切だと考えました。
高齢化が進む被爆者の体験を次世代に伝えるために広島市が2012年度から始めた「被爆体験伝承者養成事業」に応募。被爆体験の証言者らから話を聞いたり、アナウンスの講習を受けたりし、今春、伝承者として正式に委嘱されました。
小国さんは「細川浩史さんの被爆体験証言について」と題して、伝承講話を行い、「『スピリッツ・ドナーとなって、私たちの思いを伝えてほしい』という細川さんの話が心に残っています。スピリッツ・ドナーは細川さんが作られた言葉で、魂を受け継ぐという意味です。戦争について語り継いでいきたいと思います」「語り部の証言を聞き、困難を乗り越えた一人ひとりの言葉を大切に使っていきたい」と語りました。