作家の塩田武士さんをお迎えして「第7回 作家と語る」がオンラインで行われました。
2020/11/21
武庫川女子大学附属図書館は11月21日、作家の塩田武士さんを招き「作家と語る」第7回をオンラインで開催しました。本学では、本を読むという経験を通じて多くのことを学び、その体験をたくさんの人たちと共有することで、新たな知見を発見してほしいという願いを込めて、学生と作家をつなげるイベント「作家と語る」を実施しています。例年は公江記念講堂に集い対面で開催していましたが、今年は新型コロナウイルス感染症防止のため、オンラインでの実施となりました。事前に申し込みをした210人がオンラインで視聴しました。
塩田さんは『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞、『罪の声』で第7回山田風太郎賞、『ゆがんだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞しています。『罪の声』が映画化され、現在、全国の映画館で上映中です。
塩田さんが『罪の声』の着想を得たのは、大学3年生の時。しかし大学生時代は小説1冊を書き切る筆力がなく、新聞記者となって鍛えられたそうです。デビュー早々にはまだ『罪の声』を描くことはできず、さらに8作の小説を出した後に挑戦することになりました。
失敗できない、と緻密な資料を作り取材を重ねて虚実が混ざり合った物語を紡ぐことができたそうです。ようやく脱稿した後に、担当編集者から全面改稿の指示が入り「甘い部分を徹底的に潰された」と言い、結果として「過去・現在・未来の軸を通し、未来に向けた物語にすることが重要と実感した」と話しました。
続けて『罪の声』の映画化に関するエピソードや、新作『デルタの羊』の構想と取材による変容などについて語りました。
第1回から「作家と語る」のコーディネーターを務める塩田えみさん(武庫川女子大学 短期大学部国文学科 卒業)は、実は塩田武士さんのお姉さん。今回のオープニングでは、「2人で仕事として話すのは初めて」とかなりとまどう様子でしたが、話しているうちに姉弟だからこそ知っているエピソードが披露され、身近な存在だからできる鋭い質疑応答が展開され、より深く幅広い内容となりました。
【湊かなえの「ことば結び」】
11月18日 20:00~ 放送の『湊かなえの「ことば結び」』(FM大阪)にも、塩田武士さんがゲスト出演。湊さんと作家同志ならではの共感を語り合い、作品・映画の話題で盛り上がりました。
次回放送(11月25日)までは、radikoの「タイムフリー」で聴くことができます。番組ホームページからPodcastで聴くことも可能です。