「韓国に帰ったら、家政婦のおばあちゃんを思いっきり抱きしめたいです」。日本語弁論大会で、本学の留学生・キム・ジヒョンさんが準優勝に輝きました。
2007/11/20
第32回関西地区外国人留学生による「日本語弁論大会」(主催:関西外国語大学文化会・国際親善部)が11月17日、ひらかた仙亭で開催され、本学に留学中のキム・ジヒョンさん=写真=が準優勝に輝き、賞状と賞金を手にしました。
今大会のテーマは「一番大切な人に贈る言葉」。韓国の梨花女子大学から交換留学生として本学で学んでいるキムさんはジェスチャーを交えながら、流暢な日本語で次のようにスピーチしました。韓国の実家に週4回、家政婦として来てもらっているおばあちゃんへのメッセージです。。
「家政婦として私のうちに来てから、もう13年も経ちましたね。13年前は私よりずっと背が高かったのに、いつの間にか、私は成長して背が高くなり、逆におばあちゃんはだんだん小さくなってしまいました。でも、おばあちゃんは私にとって大きな存在です。子どものころは気付かなかったけど、今、あなたの偉大さがわかります。忙しい両親の代わりに、毎日ご飯を作り、世話をしてくれました。そして、正直ということと、人に譲るということの大切さを教えてくれました」
「おばあちゃん。あなたは食事の時にも、美味しいおかずには手を出さず、味噌汁とキムチだけを食べていました。たぶん、他人よりいい物を取ることは自分に合わないと思っていたのでしょう。日々の暮らしは自分を犠牲にすることだけでした。……そんなおばあちゃんが愛おしく、もっともっと大切にしてあげたいです」「おばあちゃん。しばらく会わないでいると私に涙を流させるただ一人の人です。電話では泣いてしまいそうなので言わないけれど、本当に愛しています。韓国に帰ったら、おばあちゃんを思いっきり抱きしめたいです。そして、おばあちゃんが作ってくれたご飯をお腹いっぱい食べたいです。腰や肩が痛くなっても、今は按摩をしてあげられないから、痛くならないように気をつけてくださいね。毎日おばあちゃんの健康を日本から祈っています」
キムさんは「日本語は韓国語と比べて発音がかわいいと思います。日本語は18歳から勉強してきました。スピーチするのがもともと好きなので、今回のような大会に参加でき、また賞もいただけてうれしいです」と喜びを語りました。
日本語の指導に当たった、本学日本語講師コーディネーター・山崎むつみさんは「間のとり方がよかったこと、ジェスチャーをつけてスピーチしたこと、家族へメッセージを贈る人が多い中、家政婦のおばあちゃんに目をむけたことなどが評価につながったのでは」と話しました。