◇活躍する卒業生6・7◇廣瀬あゆみさん、高橋美恵さん(ともに健康・スポーツ科学科2012年3月卒) 株式会社リィ経営
2021/12/24
日本初のデジタルスポーツ療育による児童発達支援所「リィスポーツスタジオ」を展開する廣瀬あゆみさん(株式会社リィ代表)と高橋美恵さん(共同代表)。ともに健康・スポーツ科学科の卒業生です。名古屋と神奈川で4店舗を展開しており、2022年1月6日、「神戸元町スタジオ」開設で関西に進出します。1号店開設からわずか1年半。「全国に100店舗」を目標に掲げる二人に話を聞きました。
学生時代、ラクロス部に所属していた廣瀬さんと、「コンディショニング研究部」でトレーナーを目指していた高橋さんは、在学中はあまり接点がなかったそうです。卒業後、高橋さんは専門学校の教員となり、廣瀬さんはソフトバンクに入社。別々の道を歩むかに見えました。
ところが数年後、子育てや留学等でそれぞれ転職。2018年、ともに名古屋に住んでいることを知り、再会を果たします。当時、介護ベンチャーに勤め、介護職の疲弊を目の当たりにしていた廣瀬さんと、個人輸入の物販を手掛けていた高橋さん。「福祉の現場をハッピーにしたい」「ビジネススキルを活かして新しい事業を始めたい」という思いが合致し、たちまち意気投合。再会から2週間後、福祉事業所向けの人材紹介業の法人を立ち上げました。
でも、最初の事業は利益が上がらず苦戦。そこにコロナ禍が追い打ちをかけました。「あらためて自分たちの強みを考え、スポーツと教育の経験を活かそうと、今の事業に転換しました」と廣瀬さん。
その事業が、運動を通して子どもたちの生きやすさを支援する「デジタルスポーツ療育」です。発達障がい等がある未就学の子どもたちが日常生活を円滑に送れるよう、オリジナルのデジタルコンテンツを使ってマンツーマンで指導。子どもたちは画面にタッチして色や数字を覚えたり、運動しながら「順番を守る」などのルールを覚えたりします。
「運動は『できた』がわかりやすく、子どもの成長が見えやすい。子どもは楽しいと感じると進んで課題にチャレンジし、成長します。支援すべきは、どうやったらその子に最適の環境設定ができるかのアセスメントをすること」と、廣瀬さん。高橋さんも「自分の持つスキルが誰かの役に立つことがうれしい」と手ごたえを感じています。
子どもたちが通所を楽しんでいることは、全店90%を超える稼働率からも明らか。一人ひとりの最適解を子どもたちと一緒に発見することで、「こうでなければ」という親のこだわりも氷解します。
現在スタッフは約30人。スポーツ好きの若い人を次々採用し、「楽しみながら働く」「本質志向で働く」職場を創出しています。
まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」の二人。武庫川女子大学の学びがその原動力になっているのでしょうか。
高橋さんは「トレーナーを目指して体の構造や動作の仕組みを学べたことは大いに役立っています」、廣瀬さんは「多様な運動競技に取り組む仲間と過ごし、運動神経の不思議を肌で感じたことが今につながっています」と話します。
関西では神戸元町店に次いで、母校のある西宮市内でも店舗開設を検討しています。「10年で100店舗」はすでに射程圏内。「リィの名を全国区にしたい」「運動器具の開発などに事業を展開したい」と次の目標を見据えています。