<日本語/English> 建築学科4年、鎌田彩那さんの卒業設計が二つのコンテストで準優勝しました。
2022/03/15
A runner-up for her designs for a fourth year student, Ayana Kamada of Department of Architecture.
建築学科4年、鎌田彩那さんの卒業設計作品が「せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦」で日本二(準優勝)、「関西16大学合同卒業設計展Diploma×KYOTO‘22」のDAY1審査で2位になりました。いずれの受賞も、建築を学ぶ学生にとって大きな栄誉です。受賞の喜びを鎌田さんに聞きました。
受賞作品は「なびくみち あままで届き うづもれぬ -保久良山道 保全計画-」。
神戸市の保久良山の傾斜地を敷地とし、「みち」に様々な操作を施すことによって、そこに立つ人の感情を呼び覚ます土木構築物を提案しました。タイトルの和歌は鎌田さんの創作で、「保久良山のくねくねとした道が空と海に向かって伸び、保全の役割を果たしつつ、自然と一体となって行く様子」を表しています。鎌田さんは「みちに表れる塔や橋、休憩所、舞台なども感情を呼び覚ます一要素となります。道をただ歩くだけでは感情が呼び覚まされない。自然を生かした構造物を組み込むことで、怖い、きれい、気持ちいいなど、多様な感情を誘発する仕掛けをしたかった」と説明します。構築物は擁壁として斜面を保護するとともに、排水の役割も果たし、保全に寄与します。
保久良山は住宅地に近く、程よい傾斜があることからハイキングコースとして人気の山で、神戸出身の鎌田さんにとっても身近な存在です。近年、土砂崩れなどに備え、斜面に格子状にモルタルコンクリートを造成した箇所が増え、「自然の美しさを奪っている」と感じたのが着想のきっかけでした。100分の1の縮尺で山を再現し、無数の木(カスミソウ)と構造物をちりばめた模型は、ビルなど大型の建築物を提案する作品の中でひときわ注目を集めました。
鎌田さんは「和歌を通して心の原風景に切り込む研究は珍しく、先行研究もない中で、最後まで手探りでの卒業研究でした。選ばれるとは思っていなかったので、いまだに実感はないけれど、認められたことで自信がつきました」と笑顔で語ります。
武庫川女子大学附属中高から大学に進んだ鎌田さん。武庫女の学びについて「やりたいことを貫けたのは、私の思いを応援して伸ばしてくれた先生たちのおかげ」と振り返ります。卒業後は大学院に進み、「ゼネコンに就職して人が集まる大型の建物の設計に携わりたい」と夢が膨らみます。