<日本語/English> 大学院建築学専攻修士課程1年、本田未来さんが日本建築学会近畿支部の卒業設計コンクールで入選しました。
2022/06/06
First year of graduate school of Architecture - Miku Honda selected for a design contest.
English below.
大学院建築学研究科修士課程1年、本田未来さんの卒業設計「ウメダハカ めぐり弔う都市の聖域」が日本建築学会近畿支部の大学建築系学科卒業設計コンクールで入選作品(上位3作品)に選ばれました。
日本建築学会近畿支部の大学建築系学科卒業設計コンクールは、建築系の学部教育の集大成である卒業設計を対象に審査によって優れた作品を選び、表彰するものです。建築系学部を有する近畿エリアの大学が、毎年、各1作品ずつ出品しており、今回は30作品が集まりました。武庫川女子大学建築学部からは、本田未來さんの卒業設計「ウメダハカ めぐり弔う都市の聖域」を出品し、高い評価を得て入選しました。本学の建築学部からの入選は初めてです。
「ウメダハカ めぐり弔う都市の聖域」で、本田さんは開発の進むうめきた二期区域に都市型墓地を提案しました。「都市の中に祈りの空間を作りたかった。墓地が身近にあれば、都市の喧騒を離れ、命や暮らしを静かに考える時間がもっと身近になる。情報に翻弄され、忙しさに自分を見失いそうな現代人の課題に、建築で答えを出せればと思いました」と本田さん。
墓地エリアは個人墓の3ブロックと合祀墓で構成。外壁は中心に向かって傾斜し、合掌するような形になっています。ウメキタのビル群から都市公園の上に伸びる廻廊でつながり、墓地の建物内は自由に回遊できます。最奥の合祀墓の手前には水をたたえた人工池と献花台があり、ゆかりのない人も自由に花を手向けて祈ることのできる聖域になっています。合祀墓エリアのみ屋根がなく、直接空がのぞめます。
発想のきっかけは「うめきたの梅田墓跡から江戸~明治期の大量の人骨が発掘された」というニュース。調べると、かつて「大阪七墓」と呼ばれた墓所の一つで、当時は「七墓巡り」という風習もあったことがわかりました。「お墓をきれいで静謐な場所ととらえ、散策するように“めぐる”楽しさも合わせて提案したい」。そんな思いが膨らみました。
審査は平面図、断面図等の図面とパース、模型写真等の提出によって行われます。対面でのプレゼンテーションの機会がないため、提出資料で設計の意図やコンセプトを余すところなく伝えるスキルと説得力が求められます。本田さんは「構造が複雑で断面が多いため、自分でもなかなか全体像がつかめず苦労しました」と苦笑。指導教員らのアドバイスを受けてコンセプトにより普遍性を持たせました。模型では墓地エリアを白く、周りのビル群をグレーにすることで、イメージを際立たせました。
表彰式は5月25日にZoomで行われました。本田さんは「思い入れのある作品なので、受賞できてうれしい。これから就職活動が本格化しますが、将来は一級建築士になって都市の一部になるような大きな設計を手掛けたい」と話しています。
Ms. Honda’s graduation project called the “Morning City Sanctuary” was nominated as one of the three excellent designs chosen by the Architectural Institute of Japan Kinki Branch. In the contest, the AIJ selects and commends excellent works for graduation design, which concludes the undergraduate education in architecture. Each year, one design per person can be handed in, and this year a total of 30 designs were collected from universities that has faculty or architecture. This marks the first time for a student of Mukogawa Women’s University to be given an acceptance.