◇活躍する卒業生25,26◇ケンミン食品 南和加奈さん(食物栄養学科2017年3月卒)、獅子原里実さん(同2020年3月卒)
2022/10/06
「ケンミン」といえば「焼きビーフン」。「ケンケンミンミン焼きビーフン」の軽快なテレビCMを思い出す人も多いでしょう。そのケンミン食品株式会社は今、消費者にビーフンの認知拡大を図る手段として、SNS等を含むオウンドメディアに主軸を移し、TwitterやInstagram、Facebookでレシピコンテンツ「一日一レシピ」を発信し、新たなファン層を開拓しています。レシピ数はビーフンだけで400件以上。スタートから3周年を前にした調査で10月、「ビーフンレシピ数日本一」になりました。中心にいるのが武庫川女子大学食物栄養学科の卒業生、南和加奈さんと獅子原里実さんです。同じゼミの先輩後輩でもある2人に話を聞きました。
社内に13人いる管理栄養士のうち、南さんたちを含む6人が武庫川女子大学OGです。南さんたちはマーケティング部開発課に所属し、南さんはSNS運用、獅子原さんは「一日一レシピ」の編集長を務めています。
2019年に初代編集長として「一日一レシピ」を始動させた南さんは、「ビーフンをもっと身近に感じてもらい、食材として普段使いしてもらうのが目標です。SNSではフォロワー以外にもレシピが見られるようにハッシュタグを検討したり、Instagramでは画像だけで作り方がわかるよう、見せ方を工夫したり、シェフや留学生のアレンジレシピを紹介したり。コロナ禍によるおうちごはんの増加が追い風になり、ビーフンを初めて食べた、という人が増えてうれしいですね」と話します。
「周りの人に広めたくなるような付加価値のあるレシピを目指し、日々、情報発信のスキルを磨いています」と二代目編集長の獅子原さん。トマトジュースで煮込むパスタ風、ちらしずし風、まぜそば、汁めん――。社長直轄の専門チームで生み出されるアレンジレシピ案を獅子原さんが精査し、写真や動画撮影から編集、メディアへのプレスリリース作成まで自分たちで内製します。コメントをくれた人に返信も欠かしません。目が回るほど忙しくても「楽しい」と思えるのは、「商品を愛用してくださるファンやSNSで支えてくれる人たち」と、「アットホームで雰囲気の柔らかい職場」があるからです。
学生時代、時期は異なるものの、同じ研究室に所属していた二人。南さんは「なたまめ」の研究を、獅子原さんは豆腐とはちみつのスイーツ「豆蜂」の基礎研究に取り組みました。食品メーカー志望だった南さんに対し、「当初は病院勤務に興味があった」という獅子原さんですが、同社のインターンシップに参加し「より多くの人を食べ物で元気にできる」食品メーカーの魅力を確信しました。「米由来のビーフンは低GIの健康食。おいしくて手軽でアレンジも効く。もっと良さを知ってほしい」と、商品愛は人一倍です。
笑顔の二人を支えているのは、学生時代に課題と実習、国家試験の勉強、卒論とマルチにこなしながら、バイトも遊びもあきらめなかった「時間術」だとか。「武庫女でタフになりました」と、口をそろえました。