<日本語/English> 建築学研究科の大学院生が授業で甲子園会館のライトアップに取り組みました。
2022/12/23
Graduate students of the Graduate School of Architecture are working on lighting up Koshien Kaikan.
English coming soon.
上甲子園キャンパスでは歴史的建造物である甲子園会館の壁面を照らし出すライトアップを12月、建築学研究科修士1年の院生12人が「建築設計実務」の授業の一環として行いました。甲子園会館の特長の一つが正面から見て左右対称の構造。その東棟の屋根瓦が現在、大規模改修中のため、中央のパブリックゾーンと西棟を中心に1階から3階まで約150の投光器で照らし、幻想的な外観を浮き彫りにしました。CGでもライトアップを再現。「甲子園会館ライトアップ2022実写編」、「甲子園会館ライトアップ2022CG編」としてYouTubeに公開しています。
院生たちは後期がスタートした9月から、シミュレーションソフトを使って、建物が最も美しく見えるライトの当て方や角度などを検証。配置が決まると11月からは実際にテラスや屋上に投光器を持ちこみ、建物の凹凸がより魅力的に映るよう、最適な照らし方の工夫を繰り返し検討しました。
12月2日から23日までの毎金曜日の計4日間、「学生研究発表」としてそれぞれ日没から午後8時までライトアップを実施。甲子園会館は窓が小さく、壁面が多いのも特長です。その壁面にはボーダータイルや装飾タイルをはじめ、アールデコのレリーフ、その他日華石の庇の装飾など様々な装飾が施されており、ライトで陰影ができると日中とは別人のような奥深い複雑な表情が見えてきます。
建物だけでなく植栽もライトアップ。景観建築学専攻の修士1年と建築学部景観建築学科3年生が外周道路に沿った寄せ植えのライトアップに取り組みました。また、コロナ禍以前は正門前に2本あるヒマラヤスギをクリスマスツリーに見立ててライトアップしていましたが、準備が大掛かりだったことから、2本のヒマラヤスギの下の部分の枝に、長さ200m弱のライン照明を飾り、さらに大樹の幹の下から、手の届く範囲にライトを当てて、一味違うツリーに仕立てました。ツリーは12月24日まで毎日点灯します。
建築学部の岡﨑甚幸学部長は「光を当てると陰影が出て建物がよりかっこよく見えたり、ひさしが思いのほか出ていることに気づいたりします。実は設計者はそこまで計算しているのですが、見る人はなかなか気づかない。ライトアップを実践することで、そうした建物の設計の巧みさが理解できるんです」とライトアップの教育効果を指摘します。
コロナ禍以前は建物や庭の植栽を中心にライトを当て、地域の人に庭を自由に散策してもらっていました。今年もコロナが予断を許さない状況のため、3年連続で来場者イベントが行えないことから、少しでもクリスマス気分を味わってもらおうと、動画をYouTubeにアップしています。
一方で「いつでもライトアップを楽しんでもらおう」と、CGで甲子園会館をライトアップした約3分の動画を作成し、実写編と合わせてYouTubeに同時公開しました。動画の中では修復作業中の東棟をはじめ、建築スタジオなど他の3つの建物もライトアップし、敷地の外周をめぐりながら幻想的に浮かぶ上がる上甲子園キャンパスを楽しめる映像になっています。