甲子園会館にまた勲章! 適切に維持・保全した建物を表彰する「第17回BELCA賞」のロングライフ部門で会館が表彰されることになりました。
2008/02/08
適切に維持・保全したり優れた改修を施したりした既存の建物を表彰する「第17回BELCA賞」(建築・設備維持保全推進協会主催)のロングライフ部門で、本学の上甲子園キャンパス「甲子園会館」=写真=が表彰されることが決まりました。
BELCA賞は既存の建築を総合的に顕彰する日本で初めての表彰制度で、ロングライフ部門は「建築後30年以上経過した建築物のうち特に優秀なもの」が表彰されます。学識経験者らで構成した「BELCA賞選考委員会」(委員長:内田祥哉・東京大学名誉教授)が2月7日、甲子園会館を以下の理由で受賞建築に選びました。
「武庫川女子大学 甲子園会館」(1930年竣工)
<旧甲子園ホテルが、戦時中は海軍病院、戦後はGHQ,そして大蔵省へと管理者が転々とする数奇な歴史を辿った末、1965年に武庫川学院に取得され、建築学科の教室、スタジオ、図書室などへと全面的に改修された建物である。創建時の設計者である遠藤 新は、帝国ホテル建設に携わった経験を生かし、大谷石より耐久性に優れた日華石の選択、軒先の石材をコンクリートスラブに打ち込む一体化のディテール、スラブ上配管やトレンチによる設備の集約と更新性への配慮など、独自の長寿命化の工夫を随所に行っており、また、阪神・淡路大震災でも殆ど無傷のまま残ったことは、当時の設計・施工技術のレベルの高さを物語っているといえる。耐震改修において、元の意匠を損なわない最新の補強技術が駆使されている点、設備関連は節目ごとに改修・更新されてきたが、いずれも当初の設計意図を受け継ぎ、その風格を持続している点、さらに、旧甲子園ホテルのフランク・ロイド・ライトの意匠を思わせる全貌を完全な姿で残し、愛着をもって学生が使用している点が高く評価された>
今年5月15日、東京都内のホテルで表彰式が開催され、建物所有者・維持管理者の学校法人「武庫川学院」、設計者の故・遠藤新氏と大林組(改修)、施工者の㈱大林組が表彰されます。今回のロングライフ部門では、甲子園会館とともに、サッポロビール博物館(札幌市東区)、天神ビル(福岡市中央区)、日光金谷ホテル(栃木県日光市)が選ばれました。
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