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武庫川女子大学附属総合ミュージアムで2023年度秋季展「近代のきものがみた夢」を開催中。

2023/10/05

武庫川女子大学附属総合ミュージアムで2023年度秋季展「近代のきものがみた夢」が10月4日、始まりました。12月6日まで。

 

附属総合ミュージアムは近現代のきもの資料の豊富さで知られ、所蔵する登録民俗文化財「近代衣生活資料」9092点のうち2519点をきものが占めています。大半は市井の人から寄贈されたもので、それぞれの素材や意匠がその時代と人々の暮らしを知る手がかりとなっています。

今回展示するのは明治後期から昭和戦前期のきものや帯約30点。染織品制作の技術革新と西欧文化の影響が反映され、主に都市部に受け入れられたモダンで斬新なきものにフォーカスしました。

 

「技術とモダンの交錯」「写実への傾倒」「近世絵画の応用」など、6つのテーマ別に展示しています。深紅の薔薇が刺繍と染めで描かれた名古屋帯はまるで油絵のよう。写実的なえんどう豆が描き込まれた長じゅばん、西洋のリボンを大胆にデザインした袷長着、淡いピンク色の袷長着には、ペイズリー風の図柄が全面に描かれています。また、人々の暮らしに溶け込んだ浴衣も4点展示しています。台形や三角、アルファベットなどを大胆にちりばめた浴衣や柳の枝をモチーフにした浴衣には、注染という型染技法が使われています。

 

一方で、伝統的な浮世絵、絵巻など古典的なモチーフをデフォルメしたり、もともと地紋として扱われた唐草模様を拡大、彩色することで新鮮なモチーフとして主張したり、意匠の新しさや文化の融合もみられます。

 

横川公子館長は「着物を画面に見立てて西洋的なものを描き出し、デザインの可能性を探っているのが興味深い。当時は万博が盛んな時代で、世界中の文化に触れる機会があった。表現のモダンさと世界に目を拓いた当時のグローバリゼーションの気分を感じ取ってほしい」と話しています。

 

入場無料

期間 2023年10月4日~12月6日

開館時間 平日10時~16時30分

     土曜 10時~15時

閉館日 日曜・祝日(ただし10月15日は開館)

場所  武庫川女子大学学術研究交流館5階ギャラリー

講演会 11月18日(土)13時30分~

    「手仕事の技術革新がひらいた意匠」

    講師 大久保尚子さん(宮城学院女子大学教授)

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