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活躍する卒業生42 佐藤奈々子さん(文学部心理・社会福祉学科2021年卒)医療法人せいわ会 彩都リハビリテーション病院 医療ソーシャルワーカー

2023/12/19

佐藤さんは、在学中に社会福祉士国家試験に合格。卒業後は彩都リハビリテーション病院(大阪府箕面市)の地域連携部で、患者様(以下、「患者」とします)とその家族の気持ちに寄り添い支援する医療ソーシャルワーカーとして勤務しています。同病院には3年の夏に約1か月間、社会福祉国家試験資格取得のためのソーシャルワーク実習で通いました。患者と向き合い、最善の退院支援について考え続ける医療ソーシャルワーカーの姿を目の当たりにし、「尊敬できる先輩と一緒に働き、勉強していきたい」と思い、進路を決めました。

 

心理・社会福祉学科(現在は心理学科と社会福祉学科の2学科制)に入学した当初は、心理学を学びたい気持ちが強かったという佐藤さん。1年のとき、心理学やソーシャルワークの基礎講義を受け、自分がしたいことは、人とその周囲の環境を包括的に見るソーシャルワークだと気づき、社会福祉コース(現 社会福祉学科)を選択しました。

 

勤務する病院では佐藤さんを含め、7人の社会福祉士が在籍。患者1人に、主治医、看護師、理学療法士等のリハビリ専門職、医療ソーシャルワーカー、栄養士、薬剤師などがチームで支援を行います。退院後の患者の生活を支えるのも医療ソーシャルワーカーの重要な役目ですが、「患者本人や家族の価値観、環境などもさまざまで、支援の方法に正解はありません。その時にできる最善、最大限のことをしても『こうした方がよかったのではないか』との思いも残ります。患者の立場に立って、生活や社会的なこともチーム内で発信していくことを心掛けています」と佐藤さんは語ります。患者に相談されれば、患者の意向を汲んで主治医やチームにつなぎ、新しい支援の方向性を考えます。退院してから「『やりたかったことができた』『ここまではできたよ』と言ってもらえたときは、やりがいを感じます」。

 

大学案内冊子の取材のため母校を訪ね、在室していた社会福祉学科の恩師を訪ねました。社会福祉コース(現 社会福祉学科)の魅力を尋ねると、「ゼミごとの勉強会が活発。学生が自主的に進めていましたが、先生方のサポートも充実していました。勉強会やレクリエーションで差し入れをいただいたことも楽しい思い出です」と話しました。

 

今後の目標は、「患者と家族の気持ちに寄り添いながら、人生を前向きに考えていけるサポートをしていきたいです」。誰でも病気やけがをすると、先行きが不安でネガティブになりがちです。そのような気持ちになると、生きていること自体の意味が見失われてしまう可能性があります。人は、衣食住を満たすだけでは「生きている」実感は得られません。国家資格の社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)は、患者やその家族一人ひとりの強みを見出せるよう支援する専門職です。まさに生活全体を見据えて、一人ひとり違った彩りのある未来にエールを送ることができる専門職。佐藤さんは、「もっと視野を広げて、患者や家族の生活全体を見て、考えて、支援していきたい。『今後もこういうことができるんだ』と思ってもらえるような関わり方をしていきたいです」と語りました。

 

写真左:佐藤さん(於:中央キャンパス)

写真中央、右:勤務中の佐藤さん

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