教育学部・酒井ゼミの学生が、地域の小学生に「鳴尾いちご」の歴史を伝え、栽培方法を指導しました。
2024/12/17
English below.
「鳴尾いちご」の栽培に取り組む教育学部の酒井達哉教授ゼミの3年生10人が12月2日に西宮市立鳴尾小学校で、12月9日に西宮市立鳴尾東小学校で、それぞれ2年生に「鳴尾いちご」を使った生活科の出張授業を行いました。
酒井ゼミでは教育演習の一環として、大学がある鳴尾地区で明治から昭和の初めにかけて盛んに栽培された「鳴尾いちご」を地域教材として活用しようと、学校教育館の屋上などで栽培しています。2016年度より西宮市内の小学校で「鳴尾いちご」の歴史を伝える出張授業を行うとともに、学生が育てた苗をSDGs等の教材用に学校園に提供する活動を行っています。これまでに学校園や地域の方々に提供した「鳴尾いちご」の苗は2000株を超えています。
今年、学生たちは出前授業に先立ち、鳴尾で生まれ育った地域の人4人にインタビューを行ったり、実物資料を調べたりして情報収集を行いました。中でも94歳の人は戦前、鳴尾尋常高等小学校に通った世代。鳴尾がいちご狩りで有名だったころの貴重な話を聞くことができました。
こうした新情報も盛り込み、出前授業で学生たちは鳴尾いちごの歴史を劇やクイズを交えて分かりやすく解説し、苗の育て方を伝えました。苗は児童一人ひとりに配られ、鳴尾小学校ではペットボトルを使った「鳴尾いちご」の栽培キットを作って植え、鳴尾東小学校では栽培用の鉢で育てることに。児童らは学生の指導でそれぞれ苗植えに取り組み、「いちごがおいしくなるように大切に育てていくよ」などと話していました。
小学校の先生からは「毎年、子供達に地域とつながりの深い自然とふれあう大変貴重な機会を提供していただきありがたいです」などの感想が寄せられました。今後も春の収穫までゼミ生が継続して栽培活動をフォローしていく予定です。
酒井ゼミは来年度に向けて、学校教育館の屋上などで約600株の「鳴尾いちご」の苗を育てており、約100年前に鳴尾一面に広がっていた、いちご畑の風景を再現しています。来春には小学生や地域の人たちが「鳴尾いちご」を摘む体験のため、キャンパスを訪れる予定です。
Ten third-year students of Professor Tatsuya Sakai's seminar in the Department of Education, who are engaged in the cultivation of Naruo Strawberries, gave a life science class to second-year students at Naruo Elementary School in Nishinomiya City on December 2 and at Naruo Higashi Elementary School in Nishinomiya City on December 9.
The Sakai Seminar has been growing “Naruo Strawberries,” which were actively cultivated in the Naruo area where the university is located from the Meiji period to the beginning of the Showa period, on the roof of the School Education Center as part of its educational exercises, in order to use them as local educational materials. In addition, seedlings grown by students to school gardens for use as teaching materials for the SDGs and other issues were provided by the University. So far, more than 2,000 Naruo strawberry seedlings have been provided to schools and local residents.
One teacher from the elementary school commented, “We are grateful that you provide such a valuable opportunity for children to experience the natural environment that is closely connected to the local community." The students will continue to follow up on the cultivation activities until the harvest in spring.