昭和初期の匠の技を「見える化」する「武庫川女子大学建築学部デザインギャラリー」が開設しました。
2025/01/10
甲子園会館の竣工当時の瓦やタイル、学生たちが制作した原寸図や原寸模型等を展示する「武庫川女子大学建築学部デザインギャラリー」が開設しました。上甲子園キャンパスの正門に向かい合う民家(鉄筋コンクリート2階建て)を改修して展示スペースを設けています。
甲子園会館では2022年から屋根を葺き替える大規模修復を進めており、瓦や棟飾りをいったんすべて地上に降ろし、強度などを確認しながら適宜、新しいものと入れ替えています。竣工当時の記録が乏しいことから、今回の大規模改修は詳細を確かめ、匠の技を次世代に受け継ぐ貴重な機会。建築学科の学生たちは発泡スチロール材で棟飾りの原寸大の模型を作成したり、原寸図を描いたりしながらその意匠を学び、記録しました。
デザインギャラリーでは竣工当時の瓦やタイルをはじめ、学生たちが作った甲子園会館のタイル、瓦の鋳型、石膏型、模型、原寸図なども展示。今後は学生たちが演習で作った設計模型を展示するなど、教育・研究に活用するとともに広く一般に公開する予定です。
昭和44年に作られた同建物は和室もあり、南面には日本庭園が整備されています。デザインギャラリーはこうした住宅に触れる機会が少ない現代の学生たちの教材として活用されます。和室を実測し、庭園の剪定や石組みの演習を行う予定です。