小学校区ごとの特性を生かした授業に取り組む生活環境学科の三宅正弘教授が芦屋市立精道小学校で、松をテーマにした授業を行いました。
2025/04/01
生活環境学部の三宅正弘教授が芦屋市立精道小学校の図画工作の教諭から「地域に根差した創作活動に役立つ授業を行ってほしい」という依頼を受け、2024年度後期、主に「松」をテーマに授業を行いました。三宅教授は、地域の歴史や資源、ならではの魅力を生かし、小学校区ごとに出前授業を展開しています。精道小学校のある校区は松並木があり、古くから画家や作家たちの作品に描かれてきました。同小学校の中庭にはかつての松林の松も残っています。
「松」をテーマにした授業では、5年生の3クラスを対象に、1時間の講義と、1時間の制作活動を行いました。講義では「近くの松林では、戦後、国際的に知られる前衛芸術の『具体』の屋外展覧会が行われた」など、校区とアートの関係について話題を展開。制作では、松林でのアートイベントについて提案を行いました。ある児童は「松林の松が踊っているように見えた」として、松に衣装を着せ、舞踏会をテーマにしたイベントを提案。「松」から想像を膨らませ、ユニークな提案が次々と発表されました。
2025年6月に実際に松林で展示を行う予定。三宅教授は「それぞれの校区で地元ならではの授業が広がっていくことで、校区の個性が際立ち、より魅力的になることを子どもたちと一緒に考えていきたい。次からは、子どもたち自身が題材を探す授業に取り組みたい」と話しています。
三宅教授は19年前に徳島大学から本学に赴任した際、当時、地元でも忘れられた存在になっていた鳴尾イチゴの復活に取り組み、これを教材とした小学校での出前授業に取り組んだのをはじめ、地元の小学校の校区内の地域資源に着目し、それらを使った授業を各地で手掛けてきました。芦屋市では同市立山手小学校で、かつて石の産地として大阪城の石垣や山手の住宅地に無数の石垣の石を産出していた地域の歴史を伝えると同時に、その石を使ったまちづくりを考える授業や、地元の石を使った石ころアートの授業を行っています。